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かにみそ (単行本)

かにみそ (単行本)

かにみそ (単行本)

作家
倉狩 聡
西島大介
出版社
角川書店
発売日
2013-10-29
ISBN
9784041105740
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かにみそ (単行本) / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

「ポップな表紙絵に騙されてはいけません」な本。でも怒哀の感情がなく、人の理を知っていく蟹の可愛いことよ!特に人の肉と養分を喰らった後の不要物は団子にするスプラッタな食事シーンが矢鱈、エロティック且つ美味しそうなのはどうしたことだろう!あのシーンだけで舌に蟹味噌の味が甦って始終、蟹のように「うふふ、美味しいな」という笑みを浮かべていました。読了後、無性に濃厚な蟹味噌を思いっきり、貪り食べたくなりました(笑)『百合の火葬』も家族の喪失を血縁の疎ましさから百合の蠱惑性によって幻想的な追悼へと変化するのが良かった

2014/02/02

みゆ

初読み作家さん。ホラー小説大賞の表題作『かにみそ』は不思議な読後感。あんまりグロさを感じなかったのは「生きることは食べること」だからかな。『百合の火葬』の方が怖かった。でもタイトルにはもう一捻り欲しかったかも~(^-^;

2018/08/05

なゆ

おなかすいたーって可愛い蟹がつぶやいてる。この表紙はズルイなぁ。海辺で見つけた蟹を飼い始めたら、そいつは雑食でどんどん食欲旺盛に、ついには…という話。でも言葉も覚えて賢くて、憎めない蟹なのだ。ラストは意外。「生きることは食べることだよ。」の言葉が切なく響いて、ちょっと泣けた。蟹の食事シーンとか、ポイントポイントですごく細かな描写が読み応え大。もう1篇の「百合の火葬」は行き場を失った母性と百合の花が共鳴してどんどんどんどん…。ホラーは好きじゃないけど、こういう感じならもっと読みたい。ホラー小説大賞優秀作。

2014/05/21

miyumiyu

読友さんの感想で気になって読んでみた。去年の第20回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞作品。著者も30代に入ったばかり。選考委員の貴志祐介の選評に、『現代の若者の置かれた悲惨な状況と心の闇が伝わってきた』と。「百合の火葬」のほうがホラー色は濃いが、心理描写が回りくどくて、ゾワッと感はそれほどでも。表題作「かにみそ」は、ホラーというより超〜ブラック。あどけない人食い蟹と、抑揚のない淡々とした僕の心の闇が妙にマッチしていて、絶妙に気持ち悪い。でも嫌いじゃない。絶賛まではいかないが、なかなかおもしろかった。

2014/02/20

aqua_33

倉狩さん初読み。ホラー小説大賞優秀賞の「かにみそ」と書き下ろし「百合の火葬」収録。「かにみそ」は無気力ニート主人公が海辺で蟹を拾い、家で育ててたらその蟹が何と人間と意志疎通かつ会話できるという設定。『泣けるホラー』とのことだけどホラーなのかな…確かに捕食シーンは若干グロかったけど、むしろ蟹と主人公のやり取りがコミカルで楽しめたような。最後はちょっと切なかったけど泣くほどではなかった。「百合の火葬」はよく分からなかったな~。ちょっとしたブラックファンタジーな感じだったかも。《2017年77冊目》

2017/04/09

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