ハートフル・デッド! ポップでファンタジー。こんなベトナム戦争もアリ?

戦争をモチーフとした作品は、古今東西数多く存在します。私利私欲、死生観、人生観、暴力にエゴ。人間のありとあらゆるものが剥き出しになり、生物として丸裸になる様相は、老若男女問わず、普遍のテーマとなります。映画も非常に多く、『バルジ大作戦』に『地獄の黙示録』、『史上最大の作戦』、『フルメタル・ジャケット』、『フォレストガンプ』に『プラトーン』。名作には事欠かないジャンルであります。さて、そんな戦争モノですが、個人的には非業なテーマと共に重要な要素が、銃器や兵器の登場ではないかと思います。普段は伺い知ることの出来ない軍隊の様子や、銃器や戦車、戦闘機が起こす一大スペクタクル!男子としては、非常に胸が熱くなるものです。
―――が、しかし!! 本作ディエンビエンフーは戦争モノでありつつ、そういった鉄臭さをスッパリと排除した作品なのであります。ガガーーン!
舞台は1960~70年代のベトナム。そう、泣く子も黙るベトナム戦争であります。主人公は戦争カメラマンの青年・ヒカル。あのスターズ・アンド・ストライプスの記者でちょっとマヌケ。右も左も分からぬままに戦地へと到着し…