刺青・少年・秘密 (角川文庫)
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谷崎潤一郎『秘密』あらすじ紹介。女の秘密に興奮する男。刺激を求め続けた男の行き着く先は…
耽美的・マゾヒズム的な作風で知られる一方、その端麗な筆致で「文豪」「大谷崎」とも称された谷崎潤一郎。『秘密』は谷崎が文壇で名を揚げるきっかけとなった作品のひとつですが、代表作と比べると知名度は低いのではないでしょうか。そこで今回は谷崎潤一郎『秘密』のあらすじをわかりやすくお伝えします。比較的読みやすい文体の短編ながら、文豪たる表現力の一端を堪能できる作品です。ぜひ一度触れてみてください。
『秘密』の作品解説
『秘密』は1911年、谷崎潤一郎が雑誌『中央公論』で発表した短編小説です。一般的な刺激に飽きた主人公が、過去に関係があった女性と再会したことをきっかけにさらに強い刺激を求め溺れていく過程が描かれています。自己愛に傾倒する主人公と女性との密会は、艶やかな物語ながら読者にどこか緊張感を抱かせるものとなっています。
『秘密』の主な登場人物
私:語り手。秘密を偏愛する男性で、優雅な顔立ちを自負している。本人いわく「物好きな連想」のためナイフや麻酔薬を所持して外出するなど、実行にこそ移さないものの、やや犯罪的な趣向がある。
T女:数年前、上海旅行へ向かう汽船…
2023/6/10
全文を読む谷崎潤一郎『刺青』あらすじ紹介。「美女の肌に刺青を彫りたい」日本を代表するフェティシズム小説
『刺青・少年・秘密(角川文庫)』(谷崎潤一郎/KADOKAWA)
大きな動乱もなく、人々がのんびりと暮らしていた時代。そんな世の中では美しい者こそが強者であり、多くの人は美を求めて入れ墨をしていた。
元浮世絵師の清吉は、大変評判の高い若手の刺青師(ほりものし)であった。江戸中の者が優れた入れ墨をしてもらうために彼のもとを訪れたが、清吉は理想的な骨格と肌とを持つ者しか相手にしなかった。彼は「美女の肌に己の魂を彫り込みたい」と長年願望を抱いていたが、理想とする女は江戸中を探してみてもなかなか見つからなかった。
ある夏の日、料理屋の前で籠のすきまから真っ白な女の素足がはみ出ていた。足を見ただけだが、才能ある彼の目にはその女のすべてが見えており、この女こそが自分が長年求めていた理想の女であると確信するに至った。清吉はその籠を追いかけたが、やがて見失ってしまう。
翌年の春の朝、清吉のもとによこされた使いの娘が、まさにあの女であった。彼は帰ろうとする娘を引き留め、「この絵にはお前の心が映っている」と言いながら、処刑される男を眺める妃が描かれた絵画と、男たち…
2018/5/16
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刺青・少年・秘密 (角川文庫) / 感想・レビュー
優希
谷崎初期の短編集です。その世界は妖艶で不思議な雰囲気で満たされていました。耽美、サディズム、マゾヒズムといった変態的要素も、谷崎の手にかかると美しく耽美な空気へと変わるのが素晴らしいです。
2021/06/20
そら
初期の頃の作品8編。初期だから?いつもの「突き抜けたアホらしさ、バカバカしさ」がまだなくて、8編それぞれ色が違って、バラエティーに富んでいて、ちょっと驚いた。特に最後の2作品「神童」と「異端者の哀しみ」は他の人が書いたのでは?と思ってしまうぐらい。堕落していく青年の内面がテーマで、谷崎潤一郎なのに真面目!と思ってしまった(^_^;)。「少年」の拷問ごっこは引いたわ~。平山夢明みたいなホラー小説の部類と思えば納得できるかも?「悪魔」「続悪魔」はストーリー的にもホラー。どれも引き込まれた。良かったです(^^)
2022/01/31
ソーダポップ
谷崎文学の最も初期における、八篇からなる代表的短編集。谷崎24歳の処女作「刺青」。そして「少年」や「秘密」など、全編にわたって肉体上、精神上痛切に得られる快楽や、残忍と恐怖によって描かれていました。サディズムとマゾヒズムの世界が格調高く洗練された芸術的感動の作品集でした。
2021/06/19
ホシ
谷崎の初期短編作品集。寝苦しい熱帯夜に耽美派を読むのも一興にやあるらんと思いましたが、草食系を骨の髄まで自認する小生は別にムラムラするでもなく、昼間の暑気にやられた体を尚更ぐったりさせるだけでした(呆)。ただ最後の『異端者の悲しみ』は良かった。ともすれば貧苦に挫折しそうになる己の魂と向き合い、最後は一縷の光の下に静謐さをもって物語が終結します。貧困は自身を惨めにし、生きる意味を分からなくさせます。貧困問題が取り沙汰される世の中にあって私たちに示唆を与えてくれる作品のような気がしました。
2021/07/25
M.kaori☂️☂️☂️🌻🌻🌻☁️☁️☁️🍒🍊🪶🍍
読み物としては、物語に筋が通ってるから、少年の心の私には読みやすい。けれど 女性だったら経験者じゃないとこれは精神的参りそうだ。大人になったかも。(*´ω`*)
2021/03/18
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