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最後の祈り

最後の祈り

最後の祈り

作家
薬丸岳
出版社
KADOKAWA
発売日
2023-04-21
ISBN
9784041109939
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最後の祈り / 感想・レビュー

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starbro

薬丸 岳は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者らしい骨太の慟哭のミステリ、読み応えがありました。しかし死刑囚を担当する教誨師は、凄まじく大変な仕事です。本書を読んでも、私の死刑存置派は変わりません。https://www.kadokawa.co.jp/product/322009000359/

2023/06/08

パトラッシュ

菊池寛『ある抗議書』を思い出す。凶悪殺人者が刑務所で教誨を受けて信仰に目覚め、罪を悔いて幸福な死を迎えたと知った遺族が、被害者の魂が浮かばれないと抗議文を提出する話だ。娘を惨殺された牧師が事実を隠して拘置所の教誨師になり、殺人犯と対話を重ねていく。表向きは死刑囚となった男を救うためだが、実際は『ある抗議書』の主人公が熱望したように恨みの一撃を与えるために。娘の死に様を教えられるなど苦しみに苛まれるが、心から改心した犯人に絶望の真実を告げられなかった。暗い深淵に一条の光を見つけたら、人はすがってしまうのか。

2023/06/06

のぶ

多くの方がレビューに書いていますが、重たい内容ですね。しかし薬丸さんらしい作品です。主人公の保阪宗佑は牧師で、拘置所の教誨師をしている。そんな彼が娘を暴漢に殺された。犯人の石原は妊娠中だった娘を含む四人を惨殺し、死刑判決にも反省の態度を見せない。被害者の父と教誨師としての立場で葛藤が繰り返される。そして犯人と対面し復讐を試みようとする。小説でなければ起こり得ない設定だが、面白く読みごたえがあった。聖職者の保坂が決して清廉でも強い人物でもないところが話を盛り上げていた。宗佑は教誨師の務めを果たしたと思う。

2023/05/10

kotetsupatapata

星★★★★☆ この本を読むまで小生は、確定死刑囚は期間を置かず粛々と刑を執行すべきというスタンスでした。今作も石原のようなクズは、弁解の余地無く早期に執行すべきと思っていましたが、彼を取り巻く刑務官や被害者の父でもある教誨師、更に本人の心情を絡め取っていく中で、今までの死刑に関する小生の考えは、全く傷つかない立ち位置にいる者の言い分なのではと思うようになりました。 被害者遺族でも無く、刑の執行に携わる刑務官でも無い者が正解を導きだせるような簡単な問いでは無い事を知らしめた一冊でした。

2023/08/10

うっちー

死刑制度を含めいろいろ考えさせられる問題でした

2023/06/06

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