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罪の境界

罪の境界

罪の境界

作家
薬丸岳
出版社
幻冬舎
発売日
2022-12-14
ISBN
9784344040137
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罪の境界 / 感想・レビュー

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starbro

薬丸 岳は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、無差別通り魔事件PTSD社会派慟哭ミステリの秀作でした。 『罪の境界』という言葉の重さを痛感しました。昨年読んでいたら、BEST20候補、ちょっとの差で残念です。 https://www.gentosha.co.jp/book/b14759.html

2023/02/27

パトラッシュ

新幹線での無差別殺傷事件をモデルに、家族を失い育った3人の男が交錯する一点で「なぜ人は罪を犯すのか」を追う。1人が起こした通り魔事件で別の1人は女性をかばって死に、かばわれて命を救われた女性と母を殺して虐待から脱出した1人が別々に調べていく。同じ育ちながら罪を犯すか否か、その境界線はどこにあるのかと。やがて家族が崩壊した社会で傷を抱えて生きねばならない苦痛に耐えられるかで、向こう側に行くかを左右するのだと知る。人の心はあまりに脆いが、正しさの側に踏み止まって死んだ者の記憶を伝えるラストは希望の余韻を残す。

2023/01/24

青乃108号

親から虐待を受けて育った登場人物が数多く登場し、彼等の悲惨な境遇がこれでもかと描かれるが、あまりにしつこい。もう十分、わかりましたから。彼等に関する記述を読む時間が非常に勿体なくどうでも良かった。彼等のパートは要らなかった。被害者側の、生き延びた女性と死ななければならなかった男性のパートだけで構成されていれば、随分印象も変わっただろうに。おかげで胸糞の悪い時間をすごさせて頂きました。俺が編集者だったら、バッサリとカットさせて絶対にこの形では出版させなかったのに。

2024/04/19

ウッディ

通り魔事件で身体と心に深い傷を負った明香里、自分と似た境遇である犯人に興味を持ったライターの溝口、二人の視点で物語は進む。事件のトラウマに苦しみ、家から出られなくなった明香里は、自分を庇って命を落とした飯山晃弘が最後に残した「約束は守った」という言葉の意味を知るため、歩き始める。親のネグレクトと虐待で、不幸な幼少時代を送り、社会の底辺でしか生きることができなかった犯人に同情はしても、殺人を犯す理由にはならず、そこには罪の境界がある。晃弘のように過去を悔い、真っ当に生きようとする人もいるのだから。

2023/12/14

ムーミン

人間関係がこじれ解決困難になった事案に直面する度に、人間には「赦し」が大事だ。と思いますが、いざ自分の身にそういう問題がふりかかると、誰かに原因を求めたり、自分が受けた辛さを相手にも味わわせなければ気が収まらないといった状況に陥ってしまうのだろうと想像してしまいます。そういう境地に至る人というのは、どういう生き方をしてきた人なのだろうかと、最近考えていたことと重なりました。

2023/04/03

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