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死神の矢 (角川文庫)

死神の矢 (角川文庫)

死神の矢 (角川文庫)

作家
横溝正史
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-02-22
ISBN
9784041123546
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ジャンル

死神の矢 (角川文庫) / 感想・レビュー

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紫陽花

昭和21年に書かれた作品とのことです。まず、「死神の矢」。弓で標的を射抜いた者を愛娘の婿に…。そこで数々の事件が発生していきます。現代でも読みやすいですが、男尊女卑的な表現がところどころ出てきます。時代の移り変わりを感じました。次は、「蝙蝠と蛞蝓」。超々短編。でも、予想に反して面白い作品でした。短い中でも作品のエキスが詰まっていました。

2022/08/20

二分五厘

三人の求婚者に弓勢比べをさせて、見事ハートのクィーンを射止めた者に娘を嫁がせる……考古学者にして奇行の男・古館博士が考案した婿選び。イベント後に自らの放っていた矢で殺されたのは、婿選びの敗者となっていた男だった。美女に群がる三人の求婚者(クズ)、どんな手を使ってもそれを阻止したい関係者(多すぎる容疑者)、そして奇抜で理不尽なイベント。もう事件おこってくださいの状況ですね。皆さん弓術スゴすぎ。安定の殺人防御率の低さを誇る金田一さんですが、併録の『蝙蝠と蛞蝓』ではなんと事件が起こる前に解決するという離れ業を!

2023/07/26

MATHILDA&LEON

『3人のうち、50メートル先の的を矢で射ることができた者を娘婿とする』なんて突飛な発想から始まる『死神の矢』だが、その裏にある真相と、それぞれがそれぞれを想う気持ちを知るとき、静かな哀しみとある種の感動を覚える。 『蝙蝠と蛞蝓』は非常に超短編ではあるが、金田一耕助が完璧な端役の位置にあるのは珍しいし、人を蝙蝠のような男だとか蛞蝓のようなジメジメした女と喩えるあたり、この物語の主人公の人柄が良い味を出していて面白く読めた。2作の対比が素晴らしい。

2023/06/06

うーちゃん

一人の美女と、その婿の座をめぐって争う男たち。やがて起こる殺人。←この構図がお好きな巨匠。真相の感じ含め、「女王蜂」に似た雰囲気を味わえる中編だった。有名作と似ていると、まあそれなりの評価、ぐらいでとどまってしまいがちだけど、金田一が"髭を剃る順番"に着目するところなど なる程と思わせる細かな推理も良かった。もう一つの「蝙蝠と蛞蝓」は短い作品だが、金田一がほぼ見た目だけで忌み嫌われた挙げ句、殺人犯に仕立てられそうになるというユーモアミステリ(笑)。一風変わっていて楽しく読みました。

2022/06/26

nishiyan

表題作と短編「蝙蝠と蛞蝓」が収録。「死神の矢」はある事件で知己を得た古舘博士の婿選びに居合わせた金田一耕助。弓の収集家としても名高い博士は三人の婿候補に競弓をさせるのだが…という内容。クズ揃いの婿候補は脅迫されていたり、複数の人間から恨まれていたりと犯人候補が多いこと。意外な犯人ともう一つの真実には驚かされた。「蝙蝠と蛞蝓」は神経質な青年・湯浅順平がある強盗殺人に巻き込まれる話。自作の小説の通りに起こった事件に絶体絶命に陥るも、蝙蝠と呼んで酷評していた隣室に住む金田一に救われて…というラストは楽しかった。

2023/01/13

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