喜べ、幸いなる魂よ (角川文庫)
喜べ、幸いなる魂よ (角川文庫) / 感想・レビュー
Shun
ベルギー、フランドル地方の物語。18世紀のベルギーが舞台で、本作で描かれる群像劇はまさにこの地方で暮らしていた人々の生活に焦点を当て、日々の生活と仕事や信仰のかたちによって構成されている。話の中心は亜麻を扱う商家の娘ヤネケと幼馴染のヤンの視点によって成り、時代の荒波に翻弄されていった二人の生き様を通して歴史を知ることとなった。ヤネケは天才肌だが女性にとっては生き難い時代という事情もなんのその、その知性が屈することはなく飄々として実に好ましい。タイトルに込められた意味が少しずつ分かってきたような気がする。
2024/03/07
olive
おぉぉー!神よ!?この物語のヒロインは、私が考えるヒロイン像を男性に与えているのではないか。いや、それは違う。ヒロインも主人公(ヒーロー)も男女という枠も、性愛という枠も取っ払って魂でつながるっていた一冊。驚いたのは、翻訳ものとは違うよね?まるで海外文学のような作品で最初はついていけるのか不安だったが面白かった♡LGBT、女性嫌悪、女性の自立、産業革命...さまざまなテーマが、人間ドラマと共に盛り込まれていて飽きさせないし読み応えありだった。
2024/03/30
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