食っちゃ寝て書いて (角川文庫)
食っちゃ寝て書いて (角川文庫) / 感想・レビュー
カブ
私の好きな小野寺史宜氏らしい、優しくて悪い人がひとりも登場しないお話です。主人公の横尾さんは間もなく50歳の作家。担当編集者・井草菜種はヒット作を出したことがなく、彼女にもふられて少し焦っています。売れない作家と編集者が良い本を出そうと、そっと頑張る姿を応援したくなります。最後に、えっと驚く展開も面白いです。
2024/01/28
さくら★もち
売れない作家と担当編集者が1冊の小説を生み出すまでを描いた1年の物語。食べて寝るのと同じくらい日常に「書く」がある横尾と、「読む」がある井草。それぞれ焦りと迷いを感じながら、ひとつひとつの出来事を受け止め、作品に活かそうと努力を重ねるふたり。最初は腐り気味だったのにタッグを組むことで新たな気付きが生まれ、前向きになっていく展開がよかった。章が月ごとに区切られ語り部が交互になっている構成も好き。淡々とした日常にもドラマはある。しんどい時あるけど頑張ってればきっと良いこともある、と信じさせて貰える1冊だった。
2024/03/31
すみっちょ
終始取り止めのない感じがやっぱり小野寺さんという気がしました。私はとても好きな感じの本です。横尾の誠実なところと、自分を大きく見せることはないけれど、かといって必要以上に卑下することもないところがいいなと思いました。最後にこの本全体の仕掛けがわかって、おぉ〜ってなりました。気分よく読み終われる本でした。
2024/02/15
イシカミハサミ
編集者は筆者と読者を マッチングする仕事。 小野寺さんが本屋大賞でピックアップされていなければ、 このタイトルの本に手が伸びることはなかったかもしれない。 (小野寺さんを知ったのは「ひと」ではない作品だけれど) 1作品が売れても作者名が売れるわけじゃなかったり、 出版の苦しいところが描かれている。 最近の出来事にからめて、 やっぱり映像化はもっと原作者に還元のある形になってほしいな、と思ったり。
2024/03/08
こばゆみ
今作も小野寺さんらしさ全開!といった感じで面白かった(^^) 独身中年作家・横尾と、横尾を支える編集者・菜種、それぞれの目線で各章が綴られていく構成。これが最後に活きていくのだな(笑)。横尾の女友達・弓子との関係は女性としてもやもやしたのでした…
2024/01/18
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