罪と罰 下 (角川文庫)
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ドストエフスキー『罪と罰』あらすじ紹介。「天才には殺人の権利がある」罪の意識がない犯罪者の更生は可能か?
本作『罪と罰』は19世紀を代表するロシア文学の最高傑作といわれています。しかし、ドストエフスキーの小説と聞くと「長い」「難解」「重い」と連想する方も多いのではないでしょうか?
そこで『罪と罰』のストーリーを最後までわかりやすく解説します。とても面白い内容なので、ぜひ原作にも挑戦してください。
『罪と罰』の作品解説 著者であるドストエフスキーは、『罪と罰』『悪霊』『白痴』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』の「5大長編」で知られるロシアの文豪。
所属していた社会主義思想のサークルが検挙され死刑判決を受けるも、執行直前に恩赦によってシベリア流刑に減刑され窮地を逃れたという過去を持つ。そこで聖書に触れ、釈放後はキリスト教的人道主義をテーマとして扱うようになり、本作もその影響下にあるといわれている。
『罪と罰』の主な登場人物 ラスコーリニコフ:頭脳明晰な青年。自分は「選ばれた非凡人である」という選民思想を持つ。
ソーネチカ(ソーニャ):貧しい家族のために娼婦になることを選んだ少女。
アリョーナ:強欲な高利貸しの老婆。ラスコーリニコフにより殺害される。
ポルフィー…
2023/3/10
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罪と罰 下 (角川文庫) / 感想・レビュー
Shinobi Nao
長かった~。何度も挫折しそうになりつつ、ところどころ話の筋を見失おうが「とにかく最後まで読む」ことを目標に、どうにか読み切った。この作品がこんなにも世界中で、そして長きに亘って「名作」とされている所以はまったくわからない(そこまで読み解けていない)し、今は長かった苦しみからの解放と読み終わった達成感しかないが、難産の直後に「もう一人産みたい」と思う母のような気持ち(知らないけど)で、一生のうちもう一度くらいは読んで、次はもっと物語にどっぷり入り込んでみよう、なんてことを思っている。
2016/06/09
東京湾
「僕はおまえに頭を下げたのじゃない。僕は人類全体の苦痛の前に頭を下げたのだ」追い詰められ錯乱していく精神の果て、ラスコーリニコフは愚純なる狂信の娼婦ソーニャの姿に道を見出す。この物語の根幹を成すものは『信仰』だと思う。富であれ貧であれ人間はただの人間としてしか存在し得ない。そこで初めて罪と罰が問われるのではないだろうか。深遠な一大巨編であり一級のサスペンスでもあり、緻密な心理描写に息をのむ、本当に面白い小説だった。スヴィドリガイロフの最期など個人的に不明瞭な部分も多いため、いずれ別の訳でも読んでみたい。
2019/09/22
sashi_mono
上巻はチビチビと舐めるように読み進め、下巻は淀みなく一気呵成に読破した。おもしろかった。作品を執筆した時期が江戸時代の末期というから驚いてしまう。つづけて、プーシキンの『スペードの女王』を読めば、この作品との共通項がうかがえますよー。
2018/07/09
ゲンショウ
上巻で一時挫折していましたが、機の熟しを感じたので、下巻拝読。登場人物一人一人の造形が詳細で且つ濃密で、大変苦労しました。持論ですが、物語を紡ぐ事は自身の心の中を晒す行為だと考えます。著者の人生の記憶を垣間見た思いです。人は罪に生かされ、罰に救われるのでしょうね…その形は人それぞれですが。
2012/01/10
くみ
圧倒の一言に尽きる。登場人物たちは感情を抑えた次の瞬間、爆発、暴走する。特にカチェリーナ。暴走する彼女にはこちらも引きづられそうで怖くなった。彼女が義娘のソーニャを娼婦にさせて生活してるというのもあるのだけど。。読了してラスコーリニコフについて。彼が犯行後苦悩するのは罪の意識からではない。「高潔な」自分が「下等な」老婆を殺しても罪ではないという自論が通用しない事実に自尊心が傷つけられたのだと思う。でも彼は困っている人に手を差し伸べるような人だ。「自尊心」や「信仰心」のあり方を問われているような気がした。
2017/10/28
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