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魚の祭 (角川文庫 ゆ 5-1)

魚の祭 (角川文庫 ゆ 5-1)

魚の祭 (角川文庫 ゆ 5-1)

作家
柳美里
出版社
KADOKAWA
発売日
1997-12-01
ISBN
9784043437016
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魚の祭 (角川文庫 ゆ 5-1) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

柳美里の戯曲を2篇収録。表題作は作者25歳の作品で、1993年の岸田國士戯曲賞を受賞している。『家族シネマ』で芥川賞を受賞したのが、1997年であるから、劇作家としての方が、より早くに認められたことになる。ここでもテーマはやはり家族の崩壊にある。主たる登場人物である6人の家族は、それぞれが徹頭徹尾互いにに離反しあっている。もっとも、接合点はあるにはあるのだ。そしてそれこそが、まさにこの劇に他ならない。みんなが愛を求めつつ(ほんとうにそうなのだろうか?)、家族であることを希求しつつ、やはり崩壊してゆくのだ。

2014/05/22

kemonoda

柳美里さんの戯曲。表題作が岸田戯曲賞受賞作とのことです。台詞もよいけど、やっぱりト書きが非常に独特だと思います。これは役者もスタッフも(もちろん演出家も)非常に高い壁に挑戦する(解説の斉藤由貴さん風にいえば「頭を抱える」)ことになるのではないかな。ある意味、ト書きという範疇を越える過剰なト書きなんだけど、このト書きこそがこの戯曲世界を支える重要な要素であって、上演するにあたっては演者にも裏方にも大切な道標になるだろうな。 上演を観たい!もしくは上演してみたい!

2013/04/09

りんご

魚の祭/静物画// 表紙とタイトルに惹かれて。小説かと思ったら戯曲で大いに困惑するなど。浮世離れした詩的な会話は恩田陸の描く学生を更に夢見がちにしたような感じ。解説にある通り、「アー面白かった」とは思わないけど、なんとなく美しく胸に迫るものがある。これで19歳かあ。

2020/07/02

kera1019

戯曲というと役者さんのモノというか文学として完成してへん感じがして今まで読んだ事がなかったんですが面白かった。「魚の祭」はもちろん面白かったんですが個人的には「静物画」が好きです。

2013/12/13

いわちき

独特の世界観 というより空間観 演出観。登場人物のセリフのテンションがよめない。果たしてこれは怒っているのかそうではないのか、落ち着いた調子なのか否か、奇妙に詩的な設定と、登場人物達の間合いが、家と教室という普遍な場を異様な空間に仕立て上げている。 場面がトントンと変わって、その場面と場面の間というものを意識させる本、延長線上にあ るが断続している世界。 そして、裏表紙を読み作者が19歳の時のもののようだと知り、あの空間は舞台は、設定は19歳という子供でも、大人でもない曖昧さの表出かなと感じた。

2015/01/09

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