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14f症候群

14f症候群

14f症候群

作家
壁井ユカコ
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2009-05-29
ISBN
9784048739337
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14f症候群 / 感想・レビュー

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エンブレムT

if的実験小説と言えるかな?実験対象は14歳の6人の少女です。それぞれが、ある朝起きたらありえない身の変化に見舞われているんだけれど、その理由とか謎については潔いくらい描かれておりません。描かれているのは「ゲームの中でスターを食った時のマリオ」並みに無敵感に包まれている集団としての少女たちの、それぞれが抱えている気持ちの揺らぎです。子供から大人に変わっていく心と身体。危ういバランスの上に成り立っている友情。無敵状態は永遠に続くわけじゃないと突き放しつつ、外に世界は広がっていると包み込む、そんな物語でした。

2013/10/27

assam2005

中学二年、14歳、グループを組むと無敵で多感な時期である少女達。それぞれが持つ漠然とした悩み、不安、焦り、憧れを自覚することで、ほんの少し大人に近づく。物語に登場する6人の少女達の悩みはそれぞれ。その対象となるものに突然変異してしまい、今まで生きてきた目線とは違うものが見えてくるというお話。経験を積んで成長するとは、いろんな目線でものを見、いろんな考えを知ると言うこと。独りよがりな世界観から、自らの足で広い世界へ脱却していく姿はとても魅惑的でかつ蠱惑的。「大人の階段のぼる」姿ってこんなにも魅力的。

2017/03/25

らゆ

ちくしょうやられた……。最後の『死命』で涙腺崩壊。健気なひーちゃんが本当に愛しい。君が生まれてきた意味はちゃんとあったんだよ。姿形が違っても、ずっとずっと一緒だね。 無敵の女子中学生6人の身に起きた、9日間だけの奇妙な変化。それらを乗り越え、「少女」から「大人」へと一歩近づいていく。そんな彼女たちはあまりに不安定で、見ていてとても危なっかしい。でもその危うさに思わず惹かれてしまう。「今しかできないこと」を精一杯やって、「少女」の時を全力で駆け抜けて。そうやってみんな大切なものを見つけていくのでしょう。

2011/05/29

nyanco

タイトルとジャケ惚れして借りた初・壁井作品。読み始めは、ラノベのノリ…と、ややがっかり…。メルモちゃん?しかし、途中から趣を変え、ドロドロ感が増し、ヘビーに。最終話、変態は一番グロテスクなのですが、話は綺麗でラストも良い。途中まではど~かと思ったのですが、壁井さん、ちょっと今後が気なります。

2009/06/24

しろ

☆8 14歳女子は最強だ。男子だって中二病というある意味無敵な時期だけど、この物語の女子中学生たちの輝きは刹那的。九日間だけ、身体に異変が起きる症候群にかかる六人の少女の連作短編集。男、大人、犬、などなど様々なものに変化してしまう彼女たちだが、それぞれ変化するものには理由があったりする。変わってしまうくらいの思いを持っているし、変わっても光る魅力がある。女子から女に移る、ギラギラしたこの時期は、心身共にすごいエネルギーを持っている。どの短編も違う面白さがあって、最後まで楽しく読めた。

2012/01/22

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