KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

パロール・ジュレと紙屑の都

パロール・ジュレと紙屑の都

パロール・ジュレと紙屑の都

作家
吉田篤弘
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2010-03-27
ISBN
9784048740432
amazonで購入する

パロール・ジュレと紙屑の都 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

優希

パロール・ジュレとは凍った言葉という意味だそうです。本の中の紙魚となることができる「フィッシュ」が「パロール・ジュレ」という凍りついた言葉とそれを溶かす「解凍士」の秘密を探る任務を任せられます。一章一章が美しい宝石のように輝いていて、それがゆるやかに長編へと編まれているのが心地よかったです。つながりのない人たちがつながり、物語の先を作っていく感じでしょうか。読み進めていくとどんどんキノフの町が頭の中で作り上げられるようでした。感性的でファンタジックな世界観がとても綺麗だと思います。

2015/01/14

Mumiu

この街、キノフにはいっていくのはなかなかたいへん。それこそ紙魚(しみ〜この本の中ではフィッシュと呼ばれている)にでもならなくては。いつもこの人の作品に感じる読めていない感、独特の世界観。パロール・ジュレという凍った言葉と解凍士。なんでもなさそうなドラマチックなロマン。不完全燃焼にもかかわらず惹かれてしまう。

2014/11/18

読み終えるのにひと冬かかった。纏う空気と言葉が好きすぎて読み切っていないのに冊子の冬の本にも載せてしまったけど、感想がまだ書けそうにないので冊子の文若干引用します。何の気なしにぽつりと呟いた、誰にも聞かれなかった言葉が結晶化する《パロール・ジュレ》世界の物語。北の街キノフの住人が代わる代わるその世界を紡いでいく。「言葉はいつも、その人がいなくなってから輝く。」「言葉は残される。」たしかに。痛い言葉も優しい言葉も。言葉は凍結されて、いつか未来に解凍される。たぶん今後何度も開く本になるのだろうなあ。

2019/02/28

諜報員である十一番目のフィッシュ。彼はキノフで起こっている「パロール・ジュレ」という現象の解明の特務を上司から託される。「パロール・ジュレ」とはフランス語で「凍った言葉」を意味する。その言葉通りキノフでは人の発した言葉が結晶して凍りつくのだ。その奇怪な現象に街の多くの住人は気づいていないが、「解凍士」と呼ばれる国の極秘任務に連携している者たちは気づいている。彼らは「パロール・ジュレ」を解明することができるのだろうか。言葉が凍るという発想が素敵。だが残念ながら、わたしにはこの物語は合わなかったようだ。星3。

2022/10/19

ひめありす@灯れ松明の火

吉田さんの作品の中ではⅠ,2を争うくらい好き。本と言葉を巡るアドヴェンチャーなんて素敵すぎるだろう。

2010/05/08

感想・レビューをもっと見る