恋に至る病 (メディアワークス文庫)
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「恋に至る病 (メディアワークス文庫)」のおすすめレビュー
150人以上を自殺へ導いた少女と、彼女を愛し抜いた少年…実在の自殺教唆ゲームをモチーフにした衝撃作
『恋に至る病』(斜線堂有紀/KADOKAWA)
あなたは、「青い鯨(ブルー・ウェール・チャレンジ)」というゲームをご存じだろうか。
それは、2017年頃、ロシアで誕生したとされる自殺教唆ゲーム。「管理者からSNSを通じて送られてくる指示にひとつひとつ従っていくだけ」というこのゲームでは、プレイヤーたちは、最終的には自殺を指示され、その多くが本当にその指示に従ってしまうのだという。「自殺の指示に従う人間などいるわけがない」「そんなの都市伝説だろう」と誰もが思うだろう。だが、ロシアでは、このゲームを原因とした未成年の自殺が相次ぎ、2016年には若年層の自殺率が57%増加したとも言われている。さらには、このゲームは、世界各国へ広がりを見せ、社会問題化しているというのだから驚きだ。
この実在の事件をモチーフにした物語がある。それは、斜線堂有紀氏による『恋に至る病』(メディアワークス文庫/KADOKAWA)。150人以上を自殺へと導いた少女と、そんな彼女を愛し抜いた少年の物語だ。どうして彼女にかかわった多くの少年少女たちは、自殺という道を選んだのか。読み終…
2020/3/25
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恋に至る病 (メディアワークス文庫) / 感想・レビュー
★Masako★
★★★★斜線堂さん初読み♪なんか凄いものを読んでしまった!150人以上の被害者を出した自殺教唆ゲーム「青い蝶(ブルーモルフォ)」。主催者は僕が愛した人、寄河景だった。小学生の時に転校したクラスで一緒になり、中学から大学まで共に過ごした二人。美しく優しかった景が変貌してしまったのは何故か。彼女がどんなに変わろうと側で見守り愛する事を決意した僕。有り得ない設定なのにぐいぐいと読ませる心理描写。終盤、景が持っていた物を知って愕然とする。景の本心は?僕の存在は?多くの謎を残しかつ様々な解釈を生む、心に残る1冊!
2020/06/28
よっち
善良だったはずの幼馴染の少女がいかにして化物へと姿を変えたのか。150人以上の被害者を出した自殺教唆ゲームを作り上げた誰からも好かれる女子高生・寄河景と宮嶺の複雑な関係が描かれるミステリ。宮嶺への壮絶ないじめをきっかけに始まった景の変貌…自殺教唆ゲームはどんどんエスカレートして、彼女とともにあろうとする宮嶺はどんどん景のことが分からなくなっていって、そんな危うい状況の先にあった結末と、洗脳だったのか歪んだ純愛だったのか最後に気づいてしまう可能性、それでも変わらない彼女への想いが鮮烈で印象に残る物語でした。
2020/04/30
そら
結構引き込まれて一気に読み終えた(^^)。最後の1文まで読んで、ひぇ〰、やばっ、こわ〰、超こわっ!ってなった。東野圭吾の例のやつ?💦。うっわ〰💦ってなって、あとがきを読むと、そこのところの解釈は読者に委ねるとのこと。別の方のレビューを見ると最後の○○○○は「恋のおまじない」ではないか?ともある。人の心は分からないな~。「青い鯨」という実際の事件があるんですね。(これから読む人は検索しないでね。ネタバレしちゃうので。)面白いと言ったら不謹慎か(^^;)、興味深いです。
2020/05/11
nayu
なんか途中からおかしくなってるんだけど後に引けなくなってるのか気づいてないのかこれがカリスマの限界なのか。 いやでもやっぱり底が見えないなこのカリスマは。 う~ん底知れないけどやっぱりあのゲームはお粗末だと思うんだよな。そこんところどう考えていたのか気になるね。
2020/07/19
kei302
寄河景に引き込まれるようにして読んだ。彼女そのものを謎としたミステリー。きっかけや結末よりも、その過程・段階の踏み方の緻密さ 巧みさで読ませる作品だった。自殺ゲーム・青い蝶(ブルーモルフォ)。平気で嘘をつき、周囲の人を支配する。張り巡らした蜘蛛の巣のような虚構 = 恋に取り込まれた宮嶺はそこから逃れられたのか?
2020/05/14
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