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狂人日記 (講談社文芸文庫)

狂人日記 (講談社文芸文庫)

狂人日記 (講談社文芸文庫)

作家
色川武大
佐伯一麦
出版社
講談社
発売日
2004-09-11
ISBN
9784061983816
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狂人日記 (講談社文芸文庫) / 感想・レビュー

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青蓮

再読です。頻繁に現れる幻覚と幻聴にどこからが現実なのか解らなくなる怖さがありました。読んでいて、自分も本当は頭がおかしいのかもしれないと思ってしまいました(私も軽度な幻覚幻聴あり)。自分自身すら突き放してしまう深い孤独。なんとなくだけれど、彼の気持ちが解るような気がします。圭子との関係は愛ではなく、共依存かなと。ラストに圭子が口にする言葉が酷く残酷に聞こえました。

2015/08/09

ω

初読みの作家先生ω 「自分は、両親も、弟妹も、誰をも、本当に知らずに、また彼等にも知らせずに、ぽつんの生きてきた。それが、憎い」 よし、いい兆候だ!ガンバレー!って応援も束の間。狂気から全然抜け出せない。悲しい。人と関われば関わるほど疲れる、病院に引っ込みたくなる…… 読んでて辛い😢 講談社文芸文庫が続いとりますω 高いけどよかったー🥺

2022/01/29

あじ

「自分はとにかく、かなり異常だ。病人というより発育不全だ」四六時中襲いかかる幻覚と幻聴に蝕まれ、庇護の名の元で生を営まざるおえない五十男。自立心を抱きつつも“他者”に寄りかかる事で納得しようともがき苦しむ様を、宿雪のごとく綴った名著。

2019/04/16

松風

普段言葉にならないまま蟠っている感覚がずばりずばりと言語化されていく快感がしんしんとつのる。まるで自分自身の感覚が研ぎ澄まされていくような。むしろ、そういう感情に無自覚に振り回されたままおざなりにしていることこそが、ある種の「狂乱」と思えてくる。

2015/08/04

東京湾

「自分はついに自分以外のものになりえない。ここでこうしているしかなくて、ずんずん時がすぎていく。生命というもの以上の力を知ろうとしないから、目下は、生命という鉄格子の中に閉ざされて細々と息をしている」生来社会に溶け込めず、幻覚や譫妄に精神を蝕まれ、人との繋がりを求めながらも、そこに見えるのは圧倒的な孤絶。自己の人間としての異常を認識しつつも、健常者として生きる術を掴めず、緩やかに破滅へと墜ちていく姿がただ苦しい。自己と他者との関係性にどこか違和感を感じている人にとって、この物語は他人事とは思えないだろう。

2020/03/09

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