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差別感情の哲学

差別感情の哲学

差別感情の哲学

作家
中島義道
出版社
講談社
発売日
2009-05-15
ISBN
9784062154918
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差別感情の哲学 / 感想・レビュー

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おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)

差別をする事は卑怯だが差別をしないのも結局はその人の人間性の否定に過ぎない。社会の一員として生きてく限り、他者と何かしらの交流をして生きてく限り多かれ少なかれ絶対的に自身は何かしら罪悪を抱える事にならざるをえない。今ある最善解は起こった事象をそのままにとらえるという事かな。身体の欠損、および心身の異常、出自、その他自身の努力ではどうしようもない事はそのまま現実に存在するだけの事だけでありそこに意味や自身の解釈を無意識のうちに混ぜ込むのは止める努力をしなきゃ思った。やりがちだよね度々。

2016/09/12

eirianda

誰の心の中にも悪意はある。意図的でなくとも言葉の端々に優越感が混じっていたり、眼差しで送っていたり、誇りの中に高慢が潜む。それに気づかず、自分は善人と思う鈍感な人間にはなりたくない。そうです、私は悪い人間なんです。それに向き合うこともあれば、卑怯にも記憶から消し去ることもある。極力普通であることを避け、普通からズレて生きるのがいいらしい。「普通」を求める心が差別の温床、と著者は言う。白黒つけるのも難しい、繊細な問題。生活世界に外の世界に海外ニュースにも生々しくあり、美しい理念が空々しくなる差別感情。

2017/02/10

林 一歩

やや消化不良。正しそうでズレている論点を良しとすれば納得もするが、私は心が狭い人間なので共感は出来ない。

2013/02/26

晴れ女のMoeco

「差別はなぜ起きるのか」哲学、生物学、社会学などを引っ張りつつ、具体例も適度にあげつつ考える本。非常にわかりやすく、しかし答えは出ず、読後はいい意味でモヤモヤが残る感じ。「非権力者が権力者に立ち向かおうとすると権力を持たざるを得ない」という逆差別の構造は気をつけないとなぁと。あと上は下を見下さないけど、逆はいくらでも叩いていい、って風潮があると指摘されて納得。「中卒だから性格が悪い」はタブーだけど「東大なのに性格が悪い」、とかね。学力と道徳は別個の価値じゃんね。差別と思っていなかった差別に気づける本。

2012/12/20

スパイク

「差別」に関する中島先生の哲学。全うな考えであると思う。「他者の好まないことを隠さずに提言する」中島先生は嫌われる。嫌われる勇気を持った人だ。自分に誠実でありながら他人の幸福をないがしろにしないことは現実的には不可能であると知りながらも「仕方ない」とあきらめるのではなく、「では、どうすればいいのか」を問い続ける。能力や資質の「差はある」のである。下位のものが上位を攻撃するのは正当だという逆差別を生む。上位のものは何もしなくても下位のものに差を感じさせる。そこに自己批判の繊細な精神があるかどうかが問われる。

2014/07/20

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