KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

西太后秘録 近代中国の創始者 下

西太后秘録 近代中国の創始者 下

西太后秘録 近代中国の創始者 下

作家
ユン・チアン
川副智子
出版社
講談社
発売日
2015-02-11
ISBN
9784062194037
amazonで購入する

西太后秘録 近代中国の創始者 下 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

星落秋風五丈原

日清戦争後半から清の滅亡までを描く。下巻では悪女イメージが全くの誹謗中傷によるものとは言えない事件が登場。浅田次郎さんの著作『珍妃の井戸』で描かれた珍妃殺害が西太后の命令で行われた事がいともあっさりと明かされる。また皇帝の死もあらかじめ計画されたものだった。一度戦争に負けてしまうと、とことんむしられてしまう。日本に敗北した後、西欧列強の好きなように領土を蹂躙される。西欧は日本の侵略主義を批判するが、いやいやロシアもドイツも強欲さにおいては負けていない。だから戦争に負けられない。負ける戦争はしてはいけない。

2022/02/02

かんやん

下巻は戊戌の変法、義和団事件からその死まで。読み物としては面白かったけれど、内容はやたら主人公びいきの歴史小説みたいで、案の定学術界では評判が良くなかったらしい(Wikipedia英語版)。清朝末期の近代化の試みは、西太后の画期的な政策というより、断末魔の足掻きのようにも見えてくる。そこのところの分析が、到底満足のゆくものではなかった。しかし、政治的に不当に貶められてきた(悪者にされてきた)ことはよくわかった。太平天国の乱と義和団事件は凄まじ過ぎるのでまた関連本を読んでみたい。

2023/02/22

ねこまんま

とても興味深く読めた。具体的な資料に基づく本なので、政治や公のことがほとんどで、私生活にあまり踏み込めていないのがちょっと残念ではある。 満漢全席のこととか、他の宮中の他の女性のこととかも気になるなあ。 歴史ある中国が、当時の世界の強国に食い物にされ、抵抗すべく内外と闘っていた時代の話です。 久しぶりに「蒼穹の昴」を再読したくなったわ。

2016/02/03

松本直哉

千年つづいた纏足の禁止や女子教育の推進などは女性の為政者でなければできない発想だろうし、生涯の最後までこだわったのが選挙制度の発足だったことを見ても西太后の革新性がよくわかる。驚いたのは政敵康有為を「野狐」と呼んでこき下ろすところで、著者によれば戊戌の変法を主導したのは彼ではなく西太后。康有為は政権を奪おうと彼女の暗殺を企てた極悪人とのことで、歴史で習ったことと正反対だが、著者の主張の是非を判断する力は私にはない。よく笑う快活さときらきら光る目、新しいものへの好奇心など魅力的な人間性が行間から垣間見えた。

2018/07/26

starbro

歴史は常に勝者の都合で歪められたり、後世の人の勘違いで語られることが多いので必ずしも信用できる物ではないと考えています。膨大な資料および客観的事実に基づくユン・チアンの西太后秘録はかなり真実に近いような気がします。古今東西、長期間続いた政権は必ず制度疲労・平和ボケからかならず滅亡しています。歴史は繰り返すということですね!歴史にもしもはないと思いますが、慈禧大后が男だったら、日本よりも早く革命を起こし、欧米列強・日本に国土を蹂躙されることもなく、中国はアメリカを凌駕する超大国になっていたかも知れません。

2015/05/06

感想・レビューをもっと見る