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鉄塔おじさん

鉄塔おじさん

鉄塔おじさん

作家
黒木渚
出版社
講談社
発売日
2018-02-08
ISBN
9784062209496
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鉄塔おじさん / 感想・レビュー

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野のこ

仕事の先輩からの過剰ないじめやご近所で有名な一風変わったおじさんとの同居はちょっとあり得ないくらい奇妙なのに物語の出来事はもしかしたら少しは黒木さんの体験した事?と思うくらい 主人公の心模様が伝わってきました。あたちゃんの最後まで地に足ついてないふわふわした暮らしと言動は残念。だけどその後が気になりました。

2018/04/02

ケー

あたり、松本、聖子ちゃん、登場人物全員、見事に共感できない。黒木渚節というか、クセの強い作品。最初は平穏に始まり、ファンタジックでポップな世界に入り込んだと思いきや、中盤から徐々に狂気が顔を出し始め、サブキャラクターはともかく、主人公さえもその波に飲まれてしまう。そしてそれを覆すことなく、不気味な印象のまま、すっきりせずに終わりを迎えてしまう。あたりには身勝手な印象を感じるし、今作の終わり方も個人的には結構えげつない。でも、そんな穏やかでない文章を書ける人は今は少ない。だから黒木渚の文章が好きなのだ。

2018/05/20

Natsuko

黒木さん「呼吸する町」に次いで二冊目。役所勤めの主人公あたりは、言いたいことも言えずお局にひどくいびられるも「すいません」のフレーズを冷静にカウントし5桁に上ったとほくそ笑むような不気味な女子。住民からの通報で出向いたガラクタばかりの豪邸で出会ったおじさん。ありそうでなさそうなストーリー、実在しそうでいたら近寄れないおじさんとの出会いの場面が最高✨キャラにも惹かれぐんぐん読み進めた。後半「えー💦」と力が抜ける場面もあったが、面白かった✨とパタンと本を閉じた。主題は謎だが…

2021/05/01

rosetta

★★★★★CDデビューもしているという作者の初の書き下ろし長編という事で余技の様な適当な小説なんだろうと思って薄目で読み始めたら結構気に入ってしまった。役所の窓口に勤めるアタリはお局のイビリやモンスタークレイマーの市民に心を削られ世間と上手く折り合えないでいる。苦情を受けて出掛けた変人と噂の大地主のおじさんは実は繊細な芸術家で独特な哲学者でアタリと同じ心を持っていた。庭に巨大な鉄塔を建て世間に幸せを感じる電波を飛ばそうとしている。孤独な魂が出会い、そしてそのままではいられないと歩き出す。

2018/07/10

如月小町

初読みの作家さん。図書館の「この本、見逃していませんか」コーナーからチョイス。広大な敷地と多額の遺産を持つ変人のおじさんと、自分や周りに対して違和感を持つ市役所職員のあたりの10か月の物語。私が今までに読んだことがない設定で、文の流れも良くて読まされた。不安定さと安定のバランスが良いと思う。当たりはずれで言えば、あたり。

2018/08/05

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