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十二歳 (講談社文庫)

十二歳 (講談社文庫)

十二歳 (講談社文庫)

作家
椰月美智子
出版社
講談社
発売日
2007-12-14
ISBN
9784062759281
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十二歳 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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zero1

光る文章とはこれだ!小学6年生の頃をどれだけ記憶しているだろう?ポートボールに海水浴、先生への憧れと男女差。そして人間離れと何にもなれない自分。加工された記憶としてもここまで描ける表現者は珍しい。自分は誰?父親との共犯関係など微笑ましいようでいて鋭い。私は作者と同郷のため、登場する場所がとてもリアルに脳内で再現できる。レビューが124件しかないのは不思議なくらいの秀作。第42回講談社児童文学新人賞受賞作。

2019/08/01

papako

久々の椰月作品。12歳の鈴木さえの一年の物語。はるかかなたの記憶だけど、あの頃の女の子の、万能感や達観したような目線、淡い恋心、将来への不安などが淡々と描かれている。やればできるのになんでもすぐ飽きて、ちょっと胸を痛めて。盛り上がりも何もないけど、きゅっとする感じ。楽しめました。でも『しずかな日々』みたいなのを期待してたからちょっと期待はずれ。

2019/10/10

ぶんこ

子供時代から、少しずつ大人へと育っていく過程での「頭が痛い。人間離れ」だったと分かったのは読み終わってから。途中は心底心配でした。いったいどんな病気なのだろうと。意地悪されているすうちゃんにも優しいし、西田君の秘密を全力で守ったところに感動。なんて良い子に育っているのでしょう。お父さんと気が合って仲良しだからかな。作中に出てくる「ポートボール」という球技を知らなかったので、皆さんの感想を拝見して自分の歳を感じてしまいました。私の小学生時代は時代は「ドッジボール」なのでした。懐かしい。

2019/09/11

katsubek

初めて読む作家。なかなかいい感じである。毎日毎日変わってゆく心がごく自然に描かれる。他の本も読んでみよう。

2016/01/31

エンリケ

女の子がひとつ階段を上る12才は特別な年頃。そんなさえちゃんの日常を描いた作品。いつもながらこの作者の子供の心理描写は秀逸。微妙で不安定で無邪気。小さな出来事が深刻に思え、それでも色んな事が楽しくて仕方無い。そんな毎日が生き生きと描かれる。飽きっぽくて無鉄砲。さえちゃんの振る舞いに時にはらはらしたが、良い家族や友達に囲まれ、何とか卒業の日を迎える。周りの大人のアラが見え、自分の限界も何となく見えてくる。なんだかもやもやも消えないが、明日に向かって頑張って生きていく。等身大の少女の物語は終始微笑ましかった。

2015/12/17

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