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昭和の皇室をゆるがせた女性たち (講談社+α文庫)

昭和の皇室をゆるがせた女性たち (講談社+α文庫)

昭和の皇室をゆるがせた女性たち (講談社+α文庫)

作家
河原敏明
出版社
講談社
発売日
2007-08-23
ISBN
9784062811309
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昭和の皇室をゆるがせた女性たち (講談社+α文庫) / 感想・レビュー

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ころこ

「伝統とはつくられたものである」とは近代天皇制の枕詞のように使われていますが、理想的な家族という象徴天皇の伝統もまた戦後につくられた伝統ではないか。今起こっていることも新しい事態ではなく、過去を紐解き皇族・華族の家族に何があったのかを受けとめることが皇室像を発展的につくることになるのではないでしょうか。本書は昭和の皇族・華族に起こった家族問題13例を概観しています。「女性たち」なのは敗戦による華族制度、宮家の廃止やインフレによる経済的困窮を弱者である女性が影響を受けやすく、好奇の目に曝されやすい、見世物と

2021/09/11

「菊の御紋」を背負った(背負わされた)ばかりに、自分の心をねじ曲げあるいは好奇の目に晒されて、誹謗中傷を受けて生きざるを得なかった女性達の歴史。「ゆるがせた」という表現はいかがなものだろうか。誰一人として悪意を持って皇室を忌みしようとしたら方はいらっしゃらないのに、筆者にこそある種の悪意を感じてしまうのは、自分だけだろうか。美智子上皇后様の御母上の辿られた半生とその御母上を謳った一首が、新たなる感慨を持って迫ったことが唯一読書の意義があったと思いページを閉じた。 

2021/09/19

やまやま

単行書のレビューでは、本書に登場する人物はむしろ制度によって人生を「ゆるがせられた」のではないかというコメントがありました。もちろん、ジャーナリズム的なのぞき見指向で執筆された部分も多いです。しかし、その対象の描き方は、この度の結婚騒動の報道に比して穏当で、また当事者に対する共感が深い気がします。「スキャンダル」として考えなければならないことかどうか、よくわからない事件も多いです。例えば、嵯峨浩さんの苦労など、偶然そういう地位に「生まれた」ことで始まるのですが、理として解消できないことを改めて感じます。

2021/10/09

ロッキー

松浦菫子さんと、美智子さまのお母様のところが泣けました。 松浦さんは最後は足立区で生活保護を受けながら亡くなり、創価学会の仲間に見送られたそうです。写真がありましたが、とても上品で、そりゃあ足立区にはとてもいないようなご婦人。 美智子さまのお母様は、誹謗中傷を受けながら最愛の娘が失語症になっても会いにも行けない。孫を抱くのも限られた時だけ。母に頼りたかった美智子さまもまた、どれだけ子育てに苦心したことか…。涙なくして読めませんでした。

2020/10/16

うたまる

タイトルには”ゆるがせた”とあるが、そんな悪意ある主体性でなく、実際は時代や運命に翻弄された女性たちのオムニバス。中でも印象深いのが昭和天皇皇后良子。今城誼子の章では被害者、正田富美子の章では加害者として描かれる。そりゃあ、側近の入江侍従長からこんな小馬鹿にした扱いを受ければ誰だって捻じ曲がるだろう。……「もっとお祭を大事に度数を増やしたほうがいいと仰有る。何故そういうことを仰有るのか。(中略)ただ、私が考えるだけとのこと。それなら皇后さまがお考えをおかえになりさえすればいい」(入江相政日記)

2012/04/14

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