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刑事の約束 (講談社文庫)

刑事の約束 (講談社文庫)

刑事の約束 (講談社文庫)

作家
薬丸岳
出版社
講談社
発売日
2016-07-15
ISBN
9784062934442
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刑事の約束 (講談社文庫) / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

夏目さんシリーズ第3弾です。『刑事のまなざし』で既にかなり重厚な人間ドラマにミステリーをしっかりからめた素晴らしい作品を送り出してきていましたが、本作もまったくひけをとらない素晴らしい短編集です。今作も相変わらずハッピーな結末は少ないですが、それはそれで深い人間ドラマを堪能できるありがたみが十分に伝わります。特に『まなざし』で収録されていた「オムライス」のその後がえががかれており、かなり強い衝撃を受けました。単純に事件だけを解決するワケではなく、関わった人々のココロの闇も解決する夏目刑事に感服しました。

2018/02/28

nobby

シリーズ第3弾。やはり夏目刑事の活躍は短編の方が似合う。そのものぐささが、人が見逃しがちな気付きをより引き立たせる。各話最後の最後に明確になる一捻りがいいが、その真実は胸苦しく刹那は極まる…ケアマネという仕事柄「終の住処」はまさに自身と重ねながら読んだのが印象的。認知症の母といえども子を想う気持ちに思わず納得。何と言っても第1弾収録「オムライス」続編な「刑事の約束」が重過ぎる…一見明るい兆しと思える娘の今後も含め、どれだけ重荷を背負い続けていってしまうのか…

2016/09/01

hit4papa

『刑事のまなざし』、『その鏡は嘘をつく』に続く、刑事 夏目信人シリーズの第三弾。これまでの登場人物たちが顔を出す、ファンには嬉しい短編集です。本作品集では、親子の愛をテーマにした内容が多いのですが、そこは薬丸岳、捻りが効いています。犯罪加害者への復讐を企てる「不惑」は、被害者周辺の呪縛という問題提起と受け止めました。『刑事のまなざし』の問題作「オムライス」の後日談であるタイトル作「刑事の約束」は、さらに重い内容となっています。最終話で夏目には嬉しい報がもたらされます。今後の展開に期待がたかまります。

2020/01/13

ナルピーチ

シリーズ3作目。本作は短編5編を収録した短編集。いずれの物語もその完成度はとても高く、人間模様を巡って繰り広げる物語にこのシリーズの醍醐味と味わい深さが見て取れる。真摯に向き合い犯人と対話を重ねる夏目だが、娘の事件で区切りがついたのか刑事としての本懐に悩む様な場面があったのが印象的だった。ただ、その後の描写では娘にある変化が表れており、このシリーズにおける1つのキーパーソン的な役割りを担っていくのではないだろうか。相変わらず心に突き刺さるような見応えある本書。今後の夏目の動向にまだまだ目が離せない。

2023/03/15

mmts(マミタス)

やっぱり"夏目さんのまなざし"には圧巻でした。いかにもな警察小説は苦手ですから、どうしても「夏目さんシリーズ」ばっかり読み漁りました。印象的だったものは「終の住処」でした。まさか"老害お婆ちゃん"だと思いきや、ビックリしました。涙腺が脆いせいか、あという間に泣きじゃくってしまいました。「刑事の約束」にはあの裕馬くんでした。復讐したい気持ちは分かりますが、あのような憎悪の絆は悲しくなりました。トラウマあるから、きっと誰かを愛せるだろうし…。そして、絵美ちゃんにはねぇ。とにもかくにも、ひたすら感動しました。

2016/10/29

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