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鵼の碑 (講談社ノベルス)

鵼の碑 (講談社ノベルス)

鵼の碑 (講談社ノベルス)

作家
京極夏彦
出版社
講談社
発売日
2023-09-14
ISBN
9784065150450
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「鵼の碑 (講談社ノベルス)」のおすすめレビュー

「17年待った甲斐があった!」京極夏彦「百鬼夜行シリーズ」最新作に圧倒されたファンが魅力をたっぷりと解説

『鵼の碑』(京極夏彦/講談社)

 第一報を聞いた時、耳を疑った。歓喜に全身が震えた。京極夏彦による大人気シリーズ「百鬼夜行シリーズ」、その最新作がついに発売されるというのだ。その名も『鵼の碑』(京極夏彦/講談社)。というか、ファンならば、17年前からそのタイトルは知っていただろう。初めてタイトルが発表されたのは、2006年に刊行された前作『邪魅の雫』の巻末予告でのこと。その後も、サイドストーリー集『百鬼夜行 陽』などで、その内容が匂わされ、ファンたちは「いつ発売されるのか」「早く読みたい」とずっとその刊行を待ち続けてきたのだ。

「百鬼夜行シリーズ」は、1994年に刊行された『姑獲鳥の夏』から始まる長編推理小説シリーズだ。戦後間もない昭和20年代の日本を舞台に、古本屋「京極堂」店主であり、武蔵晴明神社の宮司である陰陽師・中禅寺秋彦が妖怪に関連して起こる不可解な事件を解決していくこのシリーズは、おどろおどろしくもコミカル、そして、壮大。ミステリーであり、妖怪小説であり、民俗学や史学、論理学、哲学の視点が絡んでくる唯一無二のストーリーは、1作目から30年を…

2023/9/14

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【イベントレポート】『鵼の碑』刊行記念!「メフィストリーダーズクラブ」京極夏彦×辻村深月のトークライブ

(C)森清/講談社

 京極夏彦さんの「百鬼夜行」シリーズ、17年ぶりの新作『鵼の碑』。その刊行を記念して、京極夏彦さんと辻村深月さんのトークライブイベントがおこなわれた。書評家・大矢博子さんを司会に迎え、会員制読書クラブ「メフィストリーダーズクラブ」の会員限定で配信されたその模様をレポートする。 文=アサトーミナミ

辻村深月の作家人生の節目にある、先輩・京極夏彦との2回の“握手”

(C)森清/講談社

 辻村さんは、デビュー前から京極さんの大ファン。17歳の時には、友人と2人、京極さんのサイン会に行き、握手もしてもらったのだという。京極さん曰く、「サイン会は今まで4~5回くらいしかやってない」というから、かなり貴重な機会だったのだろう。山梨県の進学校に通う、遊びに奥手な高校生としては、子どもだけで県外に出かけるということ自体が大冒険。京極さんのサインを求めて、100人近くのファンが列をなすのを見た時、辻村さんは「自分の好きなものが、自分だけのものじゃない」ことに強い衝撃を受けたのだという。と同時に「自分もこんな風に読んでもらえる作家になりたい」と思った…

2023/12/9

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鵼の碑 (講談社ノベルス) / 感想・レビュー

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Richard Thornburg

感想:★★★★★  なんと前作より17年ぶりのシリーズ第10弾!  今までのようにリアルタイム進行ではなく、現在のちょっとした調べ事から過去に散在した事件に結びついていくという感じで、今までとはまた違ったアプローチが面白いです。  ちょいと「百鬼夜行-陽」あたりに絡む部分や、巷説百物語あたりのニュアンスもあったりして、このシリーズを読み続けているファンにはたまらない作品だったのではないかと思います。 

2023/11/04

KAZOO

京極さんの久方ぶりの「百鬼夜行」シリーズの最新刊で相も変わらずレンガのような本に辟易しながら読みました。まあどちらかというと鵺に関する知識を様々な文献から渉猟して紹介してくれています。そして事件らしきものがあまり起きずに京極堂の出番も以前に比べて少ない気がしました。ただやはり京極さんの蘊蓄というものがかなり出ている感じです。

2023/11/19

ミキ

2023-43:この作品が読める日が来るなんて夢のよう。 作中で過去の事件が一昨年って説明されてて、時空が歪んだわ。作中時間と待たされた17年の落差がヤバ。次はもっと早く読ませておくれよ。

2023/09/17

さくりや

待ちに待った『鵼の碑』!薔薇十字一味、完全復活。京極先生が「僕の作品は多重構造だからプロット書かないでさっさと本編書いちゃった方が早い」とおっしゃっていたが、まさしく多重構造。重なるようで重ならない複数の事件が同時進行していく様が面白かった。長編は17年振りなのに全く変わらないメインキャラクターたちが頼もしい。まあ中禅寺は関口に似てきて関口は中禅寺に似てきた感あったけど笑。久住・関口パートの一人称と三人称を行き来する語りが不気味で良かった!

2023/09/16

ちょろこ

とても刺さるテーマの一冊。今回は日光を舞台に繰り広げられる憑き物落とし。メンバーそれぞれが抱えた全く別の案件が日光という地に導かれるように集結していく過程は読み手の心を嫌でも掻き立てる構成。燃える碑とは何を意味するのか…こういうテーマは刺さるな。改めてこの時代設定、戦中戦後を生きているメンバーという設定が好きだ。読み手の気持ちと時に重なり時に一歩退き客観的に全体像を見渡すような緑川さん視点の描写も印象的。終盤は濃い。村を起点とし数々のテーマが重なり深みと濃さを増す。充分現在に通ずるものとして。はぁ…満足。

2023/10/22

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