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サーカスから来た執達吏

サーカスから来た執達吏

サーカスから来た執達吏

作家
夕木春央
出版社
講談社
発売日
2021-09-30
ISBN
9784065243046
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サーカスから来た執達吏 / 感想・レビュー

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パトラッシュ

大正時代の上流社会を舞台に零落の華族令嬢とサーカスの脱走娘が少女探偵団を結成し、宝探しと暗号解読に奔走するガールズ活劇。さすがに現実離れした設定だが2人が謎の屋敷に潜入したり給仕に化けて情報収集するなど冒険性とキャラ立ちは高く、乱歩の少年探偵団同様に純粋なエンタメ物としては楽しい。しかし肝心の謎が不必要なほど複雑怪奇でわかりにくく、探偵役のルリ子が真相にたどり着いたプロセスが説明不足でピンとこないなど本格ミステリとしての出来栄えは微妙。作者が楽しんで書いているうちに、ついつい面白がって暴走してしまったか。

2022/01/02

ちょろこ

風のような一冊。時は大正。十数年にわたる華族家の財宝を巡っての対立と宝の在処を探すミステリは雰囲気といい、暗号絡みの謎解きといい、みっしり読み応え有りの読後感。そして何よりサーカスから逃げ出したユリ子の奇抜さと借金の担保にされた華族の鞠子お嬢様の優雅さの溶け合いが面白い。一枚ずつお嬢様というお着物を脱ぐように外の世界を知り謎解きに挑む鞠子の姿は時代背景と共に楽しめた。見方変われば全てが変わる、まさに一大マジック。全てを一掃したつむじ風のようなユリ子の置き土産はさっぱり感と静けさと淋しさ。これも良い味わい。

2023/06/16

モルク

絹川子爵が暗号と共に隠した財宝。それを見つけて我が物にしようとする人々。それが関東大震災を機に一気に動き出す。借金を抱えた樺谷子爵家の令嬢鞠子は借入先の晴海商事社長の下で彼女を借金のかたにと元サーカスの少女ユリ子に連れ出される。活劇さながらのユリ子の勇姿、そして馬のかつよさん、この3人(?)のコンビがいい。作家志望の鞠子の作成した怪文書…ワクワクする。母が若い頃読んだという吉屋信子の小説を小学生の時薦められて何冊か読んだが、その世界を思い出した。懐かしさの中に斬新さが混じった作品である。

2023/01/03

cinos

『本ミス2021』の14位でした。莫大な借金を抱えた令嬢が借金を取り立てに来た少女と隠された財宝を探します。執達吏の少女ユリ子はサーカスから逃げてきた、文字は読めないけど、天真爛漫な発想豊かで、魅力的な探偵役です。怒涛の30ページは確かに目がはなせません。面白すぎです!

2022/02/05

ゆのん

大正時代の少女探偵物語。サーカスから逃げ出した曲芸師・ユリ子と子爵令嬢・鞠子が隠された宝物を探す。ユリ子の破天荒なキャラと、世間知らずな鞠子の成長が魅力的な作品。一見、裕福で教養や礼儀作法も極めているように思われる所謂爵位の家の人達だが、殺人に泥棒、誘拐、幽閉などなど家を守る為には何でもありなのかと驚く。ユリ子の過去や、鞠子のこれからも気になるところ。

2023/07/23

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