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霊獣紀 獲麟の書(下) (講談社文庫)

霊獣紀 獲麟の書(下) (講談社文庫)

霊獣紀 獲麟の書(下) (講談社文庫)

作家
篠原悠希
出版社
講談社
発売日
2021-12-15
ISBN
9784065257067
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「霊獣紀 獲麟の書(下) (講談社文庫)」のおすすめレビュー

「金椛国春秋」シリーズ著者がおくる、五胡十六国時代を舞台にした中華ファンタジーの最新刊『霊獣紀 蛟龍の書(上)』

『霊獣紀 蛟龍の書(上)』(篠原悠希/講談社)

 シリーズ30周年を迎えた小野不由美氏の大ヒット作『十二国記』や、テレビアニメ化もされて大ブレイク中の白川紺子氏の『後宮の烏』など、中華ファンタジーは長年多くの読者の心を掴み、近年ますます盛り上がりをみせている。

『後宮に星は宿る』から始まる「金椛国春秋」シリーズのヒットで知られる篠原悠希氏も、中華ファンタジーのジャンルで活躍を続ける人気作家のひとりだ。そんな篠原氏の最新刊『霊獣紀 蛟龍の書(上)』(講談社)が、このたび刊行された。

「霊獣紀」シリーズは、『三国志』で有名な三国時代の後に続く、五つの異民族が十六の国々を林立して争った五胡十六国時代を舞台にした物語である。人界に降りた霊獣の幼体が、乱世に生きる若き青年に聖王のしるしを見出すというフレームのもと、武人と霊獣の唯一無二の物語が紡がれていく。歴史小説らしい複雑な人間ドラマと、中華ファンタジーならではの壮大な設定が融合した快作だ。

 シリーズの幕開けを飾る『霊獣紀 獲麟の書(上・下)』(講談社)では、霊獣・赤麒麟の幼体である一角と、匈奴の少数部族、羯族…

2023/1/17

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霊獣紀 獲麟の書(下) (講談社文庫) / 感想・レビュー

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よっち

漢の新王・劉淵の臣下となり、抜擢されて氏族の娘ナランを妻とすることになったベイラ改め世龍。一方、世龍を中原の聖王にするという天命を背負った霊獣・一角はもうひとりの霊獣と出会う第二弾。劉淵に命じられたものの、妬まれてなかなか婚姻話は進まず、功績を積み上げることを決意する世龍。激しさを極めてゆく戦争に、虐殺や流血を嫌う体は衰弱していく一角。何をなすべきか理想とままならない現実に振り回された二人の複雑な思いが印象的でしたけど、物語のひとつの終わりとともに新たな物語も準備が進んでいるようで、続巻に期待しています。

2021/12/15

すがはら

霊獣と人の感覚の違いを何度も思い知らされて地上から心が離れて行く一角と共に作者の視点も俯瞰になっていった感じです。天界を目指す生き物の情もまた、人が期待するものとは違うようで。あっさりしたものだなという石勒の感想に大きく同意。最後、真の多民族国家形成を目指した国造りの時期こそ一角の役割があった気がするのに。霊獣が平時に人界に関わるのはダメなんでしょうか。史実の縛りがあるお話ってなかなかスッキリ満足では終われないのかなという読後感です。

2022/02/13

はなりん

読むのに時間がかかった。地名も人名も分かりにくいのと、記述の大部分が淡々と戦記となっているので、疲れた。世龍と一角のやりとりやなど、もう少し心情的なものもあってもよかったかな。最後もあっさりしてたし…。

2022/03/05

虚と紅羽

獲麟の書、完結。一番驚いたのは次巻の刊行が決まっていた事。これ続編ありきだったのか。 上巻の時も思ったけれどファンタジーではない。想像よりファンタジーしてない上に、時代小説が強いのでファンタジーを目的として読む分にはオススメしない。 人ならざるモノとして人外の命を持つ一角はこの先誰と出会っても置いて行き、置いて行かれを繰り返すのかと思うと少し虚しい。忘れっぽい一角がベイラの事を何時まで覚えているのか気になる所だけれど、次巻以降を読む気力は存在しないのであった。

2022/07/10

豆乳くま

とにかく難しかった。史実を追いながら、中華を治める『聖王』の資質を見い出す霊獣一角とともに一時代を駆け抜ける世龍(ベイラ)のファンタジーと言うよりは戦闘記。慈悲の生き物である麒麟が戦に明け暮れる世龍と一緒にいるのはさぞかし辛かろう。かなり駆け足な感じだし、世龍にも一角にも感情移入できず、辛抱の読書だったな。

2022/02/23

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