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ウェルテルタウンでやすらかに

ウェルテルタウンでやすらかに

ウェルテルタウンでやすらかに

作家
西尾維新
出版社
講談社
発売日
2023-07-26
ISBN
9784065306314
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「ウェルテルタウンでやすらかに」のおすすめレビュー

「生きてるってコスパ悪くない?」自殺の名所として観光地化しようと目論む町おこしコンサルタントに自殺小説を依頼されて……

『ウェルテルタウンでやすらかに』(西尾維新/講談社)

 多作で知られる作家・西尾維新氏の作品で、筆者が最も愛読したのが『少女不十分』(講談社)だ。そして、新刊『ウェルテルタウンでやすらかに』(講談社)は、同作に限りなく近い感触がある。ライトノベルやミステリをまたぐ作風で知られ、多くの小説がアニメ化されている西尾氏だが、またひとつ、金字塔を打ち立てた。そう断言して構わないだろう。

 主人公は自殺小説の大家と言われる作家・言祝寿長(ことほぎ・ことなが)。彼のもとへ、寂れゆく安楽市(あんらくし)の町おこしのために小説を書いてほしい、という依頼が舞い込む。依頼主は、町おこしコンサルタントを名乗る生前没後郎(いくまえ・ぼつごろう)。見るからに怪しげな彼が、途轍もなくうさんくさい話を持ち出すのだ。

 彼は、言祝が書く自殺小説の舞台を聖地巡礼してもらうことで、安楽市を「自殺の名所」として観光地化しようという。当然断ると思いきや、言祝は依頼を引き受ける。彼にはそうせざるを得ない事情があった。言祝は中学生の頃まで同市に住んでおり、ある事情によって、家族ごと夜逃げしなけれ…

2023/9/13

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ウェルテルタウンでやすらかに / 感想・レビュー

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starbro

西尾 維新は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、ノンシリーズ、安楽市(死)限界集落町興しブラックユーモア小説、著者久々のスマッシュヒットでした。 超高齢化社会の日本においては、IRよりも、安楽死特区が必要です。 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000373366

2023/09/25

ゼロ

寂れた安楽市を盛り上げるため、ご当地小説を書いて欲しいと依頼された言祝寿長。彼の小説は、犯罪小説であり、多くの登場人物が自殺する。そんな作家に依頼をする生前没後郎の目的は、安楽死を自殺の名所にすることが目的であった。高齢化社会となり、安楽死や尊厳死について考えなければいけない時代。この問題に西尾維新らしいポップなエンタメ小説を書き下ろしていました。終盤のご都合主義は、小説家だからこそ、小説の力を信じて、沼に沈めてやる!と意気込んでいるのか。餓鬼童きせきの配信の歌姫を登場させるなど、流行りを取り入れてました

2023/10/30

さっちゃん

衰退の一途をたどる安楽市を自殺の名所にすべく、犯罪(エログロ)小説家の言祝に安楽市を舞台とした作品の執筆依頼が…と、冒頭から少々倫理観のバグを感じる依頼が。安楽市を訪れた言祝は自殺の名所となるべく作られた施設を巡るが、投身から入水、首吊り、リスカなど多彩なニーズに応える充実ぶり。しかし言祝には秘めた思惑が…。/いつもながら言葉遊びが楽しい。重いテーマだがエンタメの、小説の力を信じる青臭さに心が震える。本棚の最初の住人になりたいのは著者の本音なのかも。/子どもの頃の本棚が地肉となり骨格を作るって素敵だな。

2023/09/18

薦渕雅春

著者の作品では新しいキャラクターか。推理作家・言祝 寿長(ことほぎ ことなが)と自称町おこしコンサルタント・生前 没後郎(いくまえ ぼつごろう)と登場人物のネーミングも妙。言祝の出身地である安楽市は財政破綻待ったなしで、翌年には事実上の限界集落に認定されてしまうのではないかと。。生前はそんな安楽市を小説にて立ち直そうと企だて、言祝に安楽市をテーマに小説を書いて欲しいと持ちかけた。ところがその狙いは安楽市を自殺の名所にしたいとのこと。2人の妙な掛け合い、著者ならではの言葉遊び、後半は妙な歌姫も登場し・・・。

2023/12/20

manamuse

これが西尾維新初読みって人はどうなんだろう…。テーマは面白かった。デリバリールームっぽさがあった。夢物語とか物語シリーズにしてくれてもいいですよ!って声を大にして言いたい。

2023/09/02

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