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うそ

うそ

うそ

作家
谷川俊太郎
中山信一
出版社
主婦の友社
発売日
2021-04-01
ISBN
9784074464708
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ジャンル

「うそ」のおすすめレビュー

「あやまってすむようなうそはつかない」――谷川俊太郎の詩「うそ」が、エイプリルフールに絵本となって登場!

『うそ』(谷川俊太郎:詩、中山信一:絵/主婦の友社)

 1度でいいから、エイプリルフールにみんなをあっと驚かせるような嘘をついてみたい。と夢見る人は少なくないだろう。だが嘘をつくということは、けっきょくのところ「騙す」ということだ。すぐにネタばらしするならともかく、へたすればその日1日つづく嘘を、真に受けてしまった誰かを傷つけたり、日常に過度な影響を与えたりしてしまうおそれは、おおいにある。冗談を楽しむ余裕ももちろん大事だけれど、誰かにとりかえしのつかない嘘をついてしまう前に、読んでみてほしいのが、谷川俊太郎さんの詩を中山信一さんの手で絵本化した『うそ』(主婦の友社)だ。

〈ぼくは きっと うそをつくだろう〉と青空を眺めながら物思いにふける少年の絵から始まるこの絵本。どのページでも少年はどこか遠くを見ている。犬の散歩をしながら。降りしきる雨がやむのを待ちながら。水たまりにうつった自分を見つめながら。その視線と心の向く先は、どこか遠い。今はまだ、嘘をついたことがない少年が、いつかきっとついてしまうだろうと確信する未来。それは、絵本を手にとっている私…

2021/4/1

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うそ / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

アキ

この世はうそに満ちている。うそをつくことで苦しくなることを知っているから、お母さんはうそをつくなと言う。でも、うそをつく気持ちは本当なんだ。謝ってすむようなうそはつかない。うそをつくのなら、うそと一緒に生きていく。どうしても、うそがつけなくなるまで、ぼくは何度も何度もうそをつくだろう。中山信一のイラスト。嘘をつかなさそうな素朴な表情の男の子と飼い犬の目線で谷川俊太郎の詩のニュアンスを伝えている。最後に谷川俊太郎が「うそとほんと」という詩を載せていて、これもいい詩です。

2021/06/09

zero1

人は生きている限り。言葉を使う限り、嘘をつく。私もあなたも。法医学者が言うように遺体以外は嘘をつく。多くの場合、詐欺を除き嘘をつくのは苦しい。しかし時に必要な、楽しい嘘もある。人を殺す嘘があり、生かす嘘もある。⭐詩人の谷川俊太郎が嘘を描くとこうなる。絵本だが名言が多く(後述)、内容は実に深い。ロシアのウクライナ侵略戦争も嘘であって欲しい。嘘だと言ってよプーチン!

2022/04/05

keroppi

誰でも「うそ」はつく。「うそ」が悪いというのは簡単だけど、この絵本の「うそ」は深い。「うそ」をつく時ってどんな時だろう。どんな「うそ」ならついていいのだろう。「うそ」をつく時の気持ちってどんなだろう。「あやまってすむようなうそはつかない。」そんな気持ちを大切に「うそ」をついていきたい。#NetGalleyJP

2021/02/25

けんとまん1007

うそ。噓も方便という言葉がある。その意味を改めて考える。人を殺すうそ、人を生かすうそ。捉え方によって、人によって、場面によっても変わりうる。谷川俊太郎さんの詩は、とても深い。さらに、中山さんの絵がそれを後押ししている。

2022/07/29

とよぽん

詩、谷川俊太郎。絵、中山信一。シンプルな絵なのに、絶妙な遠近感、視点の移動と転換に驚いた。水たまりに映る「ぼく」の姿、ぞうの滑り台を滑ってくる「ぼく」と犬を正面からとらえた絵。そして、「うそでしかいえない ほんとのことが ある」というページにドキリとした。うそ、について久し振りに考えた。

2021/07/14

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