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鴎外パイセン非リア文豪記 (集英社文庫)

鴎外パイセン非リア文豪記 (集英社文庫)

鴎外パイセン非リア文豪記 (集英社文庫)

作家
松澤くれは
出版社
集英社
発売日
2019-08-21
ISBN
9784087440171
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鴎外パイセン非リア文豪記 (集英社文庫) / 感想・レビュー

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ゆなほし

無個性さに悩む夢小説書き女子大生、作家を目指すものの一作も書き上げられずツイッター上で文豪になりきった自虐的ツイートが人気の鴎外パイセン、二作目が書けない作家が谷根千を舞台に足掻く滑稽で切ない物語。なんとリアルでイタイ話だろうか。本書に出てくる人物達は、誰の心のうちにもあるイタイ過去(もしくは現在)が具現化した存在で、こんな話そこら中に溢れているはずなのに、その必死さがささる。個性を出そうと奇を衒ったり、一時の栄光に縋ったりするのは、現代人の肥大化する承認欲求を可視化しているようで考えさせられる話だった。

2019/11/20

藤原

普通さに悩む夢小説女子大生、エゴサ中毒の2作目が書けない小説家、非リア充芸が失敗して行詰まる人気ツイッタラーの鴎外パイセンという3人の悩める文学系現代人を主人公にした連作短編。世間的に成功している人物との距離感が近いネット時代だからこその嫉妬や劣等感がビシバシ伝わってくる。日常的にSNS使っている人なら共感できるところはあると思う。特に鴎外パイセンは痛々しくて悲惨で読むのが辛かった。どれもささやかながら新しいスタートを切れてほっとした。

2021/07/12

ふじこ

大学生で夢女子の美里、デビューしてから二作目が書けない小説家の「僕」、アルファツイッタラー「鷗外パイセン」。オタクなら読みながら一度は胸が痛くなる描写があるはず。それでも拗らせた人たちの群像劇から目が離せない。何故なら今までの人生のどこかで、私は彼らだったから。夢を見て、エゴサして、注目されるためにツイートを発信する。本を読むことの意義、ひいては生きることの意義を見失いかけてる全ての人に届いて欲しい。世界はきっと、私が思ってるより非リアにずっと厳しいし、ずっと優しい。

2019/09/23

きあ

ほんタメ、たくみさん紹介本。と言いつつ…実は…の松澤くれはさんの著書。ほんタメ見てなければ手には取ってなかったかもしれない。大きなコンプレックスを抱えた女子大生、喫茶店のマスター、そしてフリーター。3人のちょこっとづつ繋がってる物語。谷根千行ってみたくなった。

2023/05/09

ごま麦茶

夢小説を書く女子大生、2作目が書けない小説家、文豪になりたい男。小説が絡んでくる短編連作。みんな、何者かになりたい。松澤さんの本は、登場人物の心理描写がじわじわ来ます。自分はなんなんだろ?何かになりたい。でも何に?…刺さりました(笑)小説を書く人って魂込めてるんだなぁ…小説だけでなく作品は大切に読もうっと。

2020/10/12

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