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ベーシックインカムの祈り (集英社文庫)

ベーシックインカムの祈り (集英社文庫)

ベーシックインカムの祈り (集英社文庫)

作家
井上真偽
出版社
集英社
発売日
2022-10-20
ISBN
9784087444452
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ベーシックインカムの祈り (集英社文庫) / 感想・レビュー

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まこみん

SFとミステリーの融合。SFと言っても全くの空想的世界ではなく、おそらくあり得そうな近未来なので、違和感なく楽しめる。ラストに思わぬどんでん返しもあって、やっぱりミステリーだとドキドキしたり。「言の葉の子ら」AIの発展的考察。「存在しないゼロ」遺伝子改良人間。「もう一度、君と」VR仮想現実。作中作の物語も美しい文体。「目に見えない愛情」人間強化。「ベーシックインカムの祈り」ラストの総括的物語。経済詳しく無くても大丈夫な、予想不可能ミステリー。井上真偽さん初めてだったけれどかなりオススメです。

2023/02/07

かさお

近未来を舞台にした短編ミステリ。ひとつ読み終えてため息がもれる。もっと、もっと、まだ読みたいのに終わりがくる、多分そういう事だろうと『わかったつもり』でいると静かに音も無く破壊される。スッと深く惹き込まれる世界観、こんなに見事な反転にお目にかかれる事はめったにない。現代人っぽさが垣間見えた「探偵が早すぎる」や、理系で難しめの作風とは雰囲気が全く違ってて驚いた。いつの間にこんなに熟成された作品が書けるようになってたんだろう。技だけじゃなく心にも響く。誰にでも胸をはって勧められる。すごいぞ井上真偽。

2022/12/12

優希

予言ミステリーの味わいがありました。SFのようにひねりがあり、着地点にきっちり着地する。面白いではないですか。ミステリーとSFが融合した作品と言えますね。

2024/03/23

よっち

AI、遺伝子操作、VR、人間強化、ベーシックインカム。未来で技術・制度が実現したとき何が起こるのか、そのひとつの可能性を描いた近未来SFミステリ短編集。日本語を学ぶために幼稚園で働くエレナが気になった言葉、豪雪地帯に残された家族と父親の奇妙な遺体、VR映画を観た妻が突然失踪した理由、視覚障害の娘が人工視覚手術で知る真実、ベーシックインカムを肯定する教授の預金通帳が盗まれた理由。確かにこれはそんな未来が実現したからこそ起きた事件で、けれどその鍵を握るのが人の複雑で繊細な心理だったりするのが面白かったですね。

2022/10/20

さくら★もち

AIや遺伝子操作、仮想現実や人間能力強化などの科学技術が日常生活に溶け込んだ近未来が描かれるSFミステリ。設定が明かされるタイミングが絶妙で、その先にもさらに展開があって面白かった。便利な世の中になる一方で、人の隠された本性が暴かれてしまったり、理想を実現できてしまうことで差別や偏見が起きてしまったり…必要最小限の現金支給が当たり前の世界になっても、科学技術を得るためにはお金が要るし格差が拡がりそう。人の心の変化の可能性に触れて、怖さとともに色々準備や心構えが必要だな、と感じた。

2022/12/24

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