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我が家のヒミツ (集英社文庫)

我が家のヒミツ (集英社文庫)

我が家のヒミツ (集英社文庫)

作家
奥田英朗
出版社
集英社
発売日
2018-06-21
ISBN
9784087457490
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「我が家のヒミツ (集英社文庫)」のおすすめレビュー

突然の母の死。憔悴気味の父を救ったのは意外にも…?  ささやかで愛おしい『我が家のヒミツ』

『我が家のヒミツ』(奥田英朗/集英社)

 外国には、「食器棚のガイコツ」ということわざがあるらしい。意味は「公然にできないような家庭内のヒミツ」。実際にそんな大それたヒミツがある家庭は一握りだろうが、あなたの家にも家族の間だけのちょっとしたヒミツがあるのではないか。そして、そのヒミツがあなたの家族を結びつける絆になっているにちがいない。

 奥田英朗氏の『我が家のヒミツ』(集英社)は、どこにでもいる普通の家族のヒミツを描き出した短編集。『家日和』『我が家の問題』に続く人気シリーズの3作目だが、短編集だから、どこからでもいつでも気軽に読める。そして描かれているのが、いたって平凡な家族というのがいい。奥田氏は、今どきの家族が抱える問題をユーモラスに、かつ、あたたかく描き出していく。

 子どもができないことに葛藤する妻の姿を描いた「虫歯とピアニスト」。同期との昇進レースに敗れ、気分は隠居モードの会社員を描いた「正雄の秋」。16歳になったのを機に、初めて実の父親に会いにいく女子高生の姿を描く「アンナの十二月」。母親が急逝し、憔悴した父親を支えるべく実家暮らしを…

2018/7/3

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我が家のヒミツ (集英社文庫) / 感想・レビュー

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しんごろ

この家シリーズ、今作で3作目になりますが、一番好きかもです。どれも楽しく温かくなれますね。各短編、読んだ後は必ず口元がゆるんでニヤッとしちゃい、心がおおらかになれますね。心も体も何もかも疲れた時、この本を再読して、少しでも元気をわけてもらおうかな。間違いなく元気をくれると信じたい。

2018/07/22

家族がテーマの短編集。一見会話もない家族だけど一致団結したり、家族の死でその人の存在の大きさを実感できたり、夫婦、親子、兄弟色んな立場の家族の話を読んで、私も自分の家族との会話や一緒に過ごす時間が永遠ではないことを心に留めて、大切にしたいと思いました。まずは親孝行したいです。

2018/08/24

ゆのん

『家シリーズ』3作目。『虫歯とピアニスト』『手紙に乗せて』がとても良かった。最後の『妻と選挙』は3作通して同じ家族、大塚家の物語。一番楽しみにしていた。夫が妻にとても優しく、双子の息子達も素晴らしく母親に優しい。涙もろい夫にジーンとしてしまう。仲が良く、思いやりのあるこの家族のこの先を更に読めると良いなと思う。

2018/08/16

Aya Murakami

ナツイチ2018対象本 家族内のヒミツ…というより日常の一コマストーリーというような短篇集。 旬を過ぎた作家さんとその奥さんの選挙活動(と家族関係の再生)を描いた妻と選挙がじわっと心温まった話でした。普通のダンナだったらみじめな自分差し置いて妻が活躍の舞台に出ようとしたら全力で邪魔しますよね。そこを我慢して家族のサポート応援に回ってこそ真の絆が生まれてくるのですね。夫婦だけでなく親子関係も温かな兆しが見えたようなラストでした。

2019/12/20

AICHAN

図書館本。短編集。クラシックピアノ奏者のファンである主婦の一家、出世競争に敗れた亭主の一家…。「ヒミツ」というほどではないが、それぞれの家庭における内緒的な話を紡いでいる。大きな事件が起こるとかいった盛り上がりはないが、どの短編も読者の共感を呼ぶ内容になっていて、うまく作ったなあと感心する物語になっている。

2019/09/20

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