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るん(笑)

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作家
酉島伝法
出版社
集英社
発売日
2020-11-26
ISBN
9784087717303
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るん(笑) / 感想・レビュー

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みっちゃん

この一見陽気なタイトル。が「酉島伝法が初めて人間を主人公にした作品集」はとんでもないディストピアの世界だった。「三十八度までは平熱」科学技術や医学は忌まわしきもの、と忌避されて、世の中に蔓延するのはまじないと迷信、そして忌み言葉を変換して美辞麗句で飾られた「善意」に満ちた精神主義。作者独特の変換漢字造語がこんなに恐ろしく感じられるとは。でももしかしたら…今のこの世界の情勢がさらに悪化して、医療が崩壊の危険に晒されたら…こんな世界に変容していく可能性もあるのでは…と鳥肌。

2021/01/25

そふぃあ

これまでの酉島伝法作品に比べて文章は格段に読み易いはずなのに、心のどこかに拒否感があって、今までのどの作品よりも不気味だった。自分の両親が昔スピリチュアルに傾倒していて大いに面倒を被ったこともあるし、押し付けがましさ、不快な理由はこれに尽きると思う。 38度が平熱に変更されたり、千羽鶴を一羽ずつ開いて、体調が悪いなか折ってくれた一人ひとりにお礼しなきゃいけないのもだいぶ怖いが、猫がいないというただ一点において最恐のディストピアだと言える。 ミカエルって何だったんだ。。

2020/12/17

りー

印刷?手書きじゃないと温もりが伝わらないだろう!が現実化した世界のお話。メディアよりも心の繋がりを信じ、医学よりも手当を信じる…これは何というディストピアか!と思いきや、よくよく考えてみるとなんて事はない、概ね現実じゃあなかろうか。現実が、ちょっと位相の違う現実に侵食され、その現実がまた新たな現実に侵食されていく感覚はさすがの一言。『皆勤の徒』から連綿と続く酉島語も健在。

2021/02/16

しゅん

短編3人の登場人物の配置が巧い、気がする。呑み込めないまま勢いで読んでしまったのでわかってない部分が多いのだけど、AB型差別が怖い。漢字が変化するところは多和田葉子の書く伊藤計劃みたいな趣でほんのりゾクゾク。どこかで再読したい。

2020/12/08

ふりや

酉島伝法さんと言えば「異形生物SF」でお馴染みですが、本作の舞台は現代のニッポン。科学よりもスピリチュアルが主流になった社会で起こる出来事を皮肉とユーモアで描いています。病院や薬は忌み嫌われ、迷信が人々の生活の中心となり、平熱は38度と決められます。酉島さんには珍しく平易な文章で書かれていますが、そこから滲み出るのはムズムズするような居心地の悪さとディストピア感。独特な造語や当て字などの「酉島テイスト」は本作でも存分に堪能できます。特に2編目の『千羽びらき』の漢字の仕掛けには背筋がゾクゾクしました。

2020/11/26

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