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童貞物語

童貞物語

童貞物語

作家
佐藤正午
出版社
集英社
発売日
1987-03-01
ISBN
9784087725988
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ジャンル

童貞物語 / 感想・レビュー

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ジンベエ親分

主人公が13年前の1973年、高校3年生だった1年を回想する、という形態の小説。……極論すればそれだけ、の小説。なんだけど、はったりも気負いもない淡々とした文体で平凡な高校生の日常が語られるだけの小説なんだけど、妙にジワるww。特別な事件も起きない代わりに妙なリアル感があるからかな。73年に高3ということは、ちょうど自分より10歳年上なのか。今の高3はまたかなり違ってそうだが。堅物と思われた担任教師が時折見せる人間味がこれまたジワる。この作家、積極的に著作を集めようとは思わないのだけど、読ませる人だ。

2017/03/06

Voodoo Kami

佐藤正午を発表順に読んでいく個人的プロジェクト第6弾。前5作も読了済ながら感想書く時間ないと言い訳していましたが、本作の主人公の名前が「野呂」! 34年遅れの種明かしとして、佐藤氏の野呂邦暢リスペクトがもうこのとき表明されていたことに、リアルタイムで読んでいたら気づかなかったであろうという皮肉も感じつつ、野呂ファンであれば思い当たる本作主人公の造形と、一人称男語りが冴える相変わらずの話運びの面白さとで1973年の地方都市に住む高校3年生の苦く甘く辛く酸っぱい1年間を満喫しました。本作で一段ギアが上がった。

2020/07/31

聖月

◎◎多分、題名で損をしている小説だと思う。童貞という言葉は出てくるが、青春小説の多くがそのまま童貞小説なわけで、わざわざ電車の中で題名を隠して読みたいようなそんなものにする必要はなかったんじゃないかと思う。男4人、女1人、その5人の高校三年生の一年間の物語である。それだけである。青春小説の名作といっていいだろう。読むべし!なのである

2007/05/06

ponnnakano

僕の思う佐藤正午のイメージから少し離れて、真正面からの青春小説で軽い驚き。でも、読み進めていくと、あの頃の自分が感じてたいろいろなことを、結構リアルに思い出してしまったことの方にさらに驚いた。ま、こんなに楽しくはなかったんだけどさ。海藤の「夢を失くさないでいるのも心細いと思わないか?叶わないままいつか消えていくみたいで」って、自分が感じてたことって言葉にすればこういうことだったのかもしれないと思った。しみじみといい本だった。

2019/09/03

oskrt

佐藤さんの初期の作品。やっぱ文章が上手いと思った、プロの作家なら当たり前かもしれないけど。言い回しにひねくれたところが無くて読みやすいです■村上龍の69を思い出した。本書は佐藤版の青春グラフィティって感じかな。海藤が佐藤さんなのかなと思いながら読んだが、津田臭さはまだない■私はこの手の作品にはちょっと弱くて、最後はぐっときた。佐藤さんの作品は純粋にお話として楽しむ、作者の意図とか想いとかそういうのはナシ、のつもりだったけど、本作はちょっと違った。というか、胸に来るものがあって嬉しかった( ´∀`)

2019/02/28

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