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裏切られた遺言

裏切られた遺言

裏切られた遺言

作家
ミラン・クンデラ
西永良成
出版社
集英社
発売日
1994-09-16
ISBN
9784087732016
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裏切られた遺言 / 感想・レビュー

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zirou1984

これ程までに多弁で、こんなにも情熱的なクンデラが他にあっただろうか。傑作『不滅』執筆後に書かれたエッセーをまとめた本作では、芸術とは決して不滅のものではなく、その通俗的な側面のみ普遍的なものとして残されてしまう前作の主題に徹頭徹尾、抗おうとしている。カフカとヤナーチェクというチェコの代表的芸術家である二人を中心としながら、ここにあるのは時に作家至上主義に見えてしまう不器用なクンデラの姿だ。それはいつになく隙だらけでありながら、だからこそ時代の、歴史の、芸術の困難さを語ろうとする力に満ち溢れているのだ。

2014/10/08

34

作家の私的生活を擁護して、クンデラはカフカの遺言は真に受けられるべきだったという。しかしカフカに関して、その断片すべて、その生の片鱗すべてにいたるまで価値がある、と感じることは、古い文学観に属することだろうか? ある種の作品主義(作家の実存を括弧に入れること)は、キッチュの最高度の蔓延とともにすでに死に瀕しているのだとしたら?

2019/07/17

はるわか

どれだけの時間のあいだ、人間は自分自身と同一だとみなされうるのか?

2019/12/05

パオー

さすがの面白さ。他の評論よりも音楽家とカフカについての記述多め。個人的には「友達」について考えさせられた。カフカの遺言を裏切って遺作を出版したマックス・ブロートは、カフカのことを神のように崇拝していたが、その芸術的真価を正しく理解してはいなかった。カフカはブロートに才能がないことを知っていながら、唯一の親友として彼を愛した。クンデラは言う。「だが、あなたがたは親友がしょっちゅう下手な詩を書くからといって、その親友が好きでなくなるだろうか?」しかしブロートの無理解のために、カフカは誤解され続けることになる。

2013/03/07

Yohei

一つ一つの項目もさることながら、全体の構成も素晴らしい。クンデラの小説という思想世界を理解する一助となる。

2019/03/02

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