KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

天使の声

天使の声

天使の声

作家
吉野朔実
出版社
集英社
発売日
1989-02-01
ISBN
9784087821215
amazonで購入する

天使の声 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ちぇしゃ

再読。人を恋しく思うことは、寄り添うことだけではなく距離を取って見守ることや、あえて手放すこともある。想う形とその表出、二人の男の愛情の示し方と二人の女の愛情の応え方について考えさせられる物語。本当の気持ちなんて他人が理解できるわけもなく、相手の受け答えから推測するしかない。言葉が通じ合おうとも、それが本心とは限らず、ましてや言葉を持たず心を閉ざした相手ならば理解したとか応えたというのは受け取る側の願い。人が人を必要として恋うる想いの答とは、と淡々と進む物語に思い知らされる、わたくしにはそんな作品でした。

2017/07/18

sin

作家買い。著者急逝のニュースを読みショック。大方の作品は大好きで読んでいるが未読の物を読みたくなり購入。「眠れる森」は小説の短編に美しい挿絵が入っているよう。

2016/05/22

コリエル

表題作天使の声は細かなやり取りにその後さらに発展した吉野朔実のセンスの良さが窺える。解説文にもあったが、『これ…女の子ね。高校生くらいの』『どうしてわかるんです?』『私も女子高生だった事があるからよ』というようなさり気ない会話の言葉選びの妙は今でも追随を許さないものがある。内容的に上手くまとまってるのは眠れる森の方かな。芸者の乱子は何のためにいるのかと思ったが、他の4人だけだとあのまま緩やかな日々をいつまでも続けてしまうからそれをぶち壊すために必要な配置だったんだなあ。

2023/03/11

菊蔵

昨日吉野さん追悼特集の本の雑誌をむさぼるように読む。彼女の作品は高校時代から大好きで最新作以外は全部読んでいたのだが、ある時ふっともういいかなと思い「天使の声」と「瞳子」「HAPPY AGE」以外は処分してしまったのだ。今思うと「少年は~」だけでもとっておくんだったとしょんぼりしてしまう。久しぶりに読んだ「天使の声」入っている作品は全て好きで当時何度も読み直したので意外なほど細部まで覚えていた。独特の世界観、漫画家たちにも多大な影響を与えた美しい描写、彼女がこの世にいないことに私は未だ慣れません。

2016/07/15

papakiti

久しぶりの再読です。表紙が素敵です。まぶたに目を描くところが笑っちゃいますね。眠れる森は、結構重い話でしたね。

2014/07/24

感想・レビューをもっと見る