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夜の三部作 (P+D BOOKS)

夜の三部作 (P+D BOOKS)

夜の三部作 (P+D BOOKS)

作家
福永武彦
出版社
小学館
発売日
2016-08-08
ISBN
9784093522762
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夜の三部作 (P+D BOOKS) / 感想・レビュー

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みあ

「深淵」だけを再読。日本の短編小説の中で一番好きな作品である。ムージルの『愛の完成』を読んで思い出した。作者はムージルを念頭に置きながら描いたのではないか?病気のため神への信仰だけを頼りにしながら生きていた女。女が働いていた教会へ独りぼっちで生きていた孤独な男がやって来る。男は女に一目惚れして教会に火を放ち女をさらう。男に無理やり犯された女は自分の中に悦びを感じ神への愛との葛藤に苦しむ。聖と背徳、愛と罪。男と暮らし始めた女はやがて…。女は本当に救われたかったのか?では何故逃げなかったのか?

2019/07/13

みあ

池澤夏樹の父、福永武彦の人間の無意識の闇をあぶり出そうとする短編3作品。『冥府』は死者達の国で新しい生を渇望する男の話、『深淵』は神を信じる女と刹那的に生きる男の愛と欲望の物語、『夜の時間』はある男の自殺によって引き裂かれた男女の再生の話。どれもが生と死の哲学的な小説である。私が一番好きなのは『深淵』。神を求めながらも肉体の欲望に負けてしまう女の弱さが赤裸々に語られている。だが、女が求めたのは欲望だけだろうか?闇の底に堕ちてしまいたいという願望もあったのではないだろうか?私にはそう思えてならない。

2017/07/15

momo

「冥府」「深淵」「夜の時間」からなる三部作。全く異なる物語であり、表現方法も異なります。生と死、人間の奥深い内面が描かれている点が共通しています。「深淵」はいつも手もとに置き、何回も読みたい大変な傑作です。自分に正直に生きようとすることがいかに孤独であるのかを考えさせられます。また、人を愛することで自分の行き場がなくなることも二人の語りにより伝わってきます。構成も見事です。「夜の時間」は怖い小説です。人間の心の奥底が露呈すると、こんなに恐ろしいのだと実感します。夜中に本作を読み終わり眠れなくなる程でした。

2020/04/05

【冥府】死後の世界「冥府」。そこを彷徨うもの全てを対象に、法廷は開かれる。新生か却下か。新生となればその者は冥府の記憶の一切を剥奪され、秩序へ送り込まれることとなる……。時間と空間は茫洋とし、世界はぼやけたフィルターがかかったように曖昧で掴みきれない。読んでいる私もまた、彼らの幻視した過去へ引きずり込まれ、そして、突き放される。呆然と立ち止まる暇はない。僕らはこの世界を歩き続ける他に道はないのだ。秩序の世界では「生」と「死」を自分の意志で選び取ることができる。しかし冥府では、「死」を選ぶことができない。→

2019/04/26

ゆかっぴ

三作を通して「生きること」と「死ぬこと」を考えさせられるようでした。うまく言えないけれど、自分なりに濃密な時間を生きていきたいと思いまいした。

2016/10/21

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