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百年の藍

百年の藍

百年の藍

作家
増山実
出版社
小学館
発売日
2023-06-28
ISBN
9784093866873
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百年の藍 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

「すべてはこのジーパンからはじまったんじゃね」関東大震災から百年。夢、生と死、希望‥『想い』が時をかけ繋いで来た壮大な人間ドラマを今、盛夏の8月に読む。血よりも濃い人の縁と、消えそうになりながらも灯り続けた情熱の焔。時代や戦争に翻弄されてなお、人は強い。色覚異常の恭蔵の夢見た世界‥それは後世に引き継がれて生きている。初めての増山実さん、堪能した。お薦めです。

2023/08/10

hiace9000

円熟の増山筆。一章から八章そしてエピローグまでを見事に紡ぐ充実の読み応えの百年大河小説。大正期、米国の支援物資として手にとった一本の青いズボン、色落ちし古びたジーパンの藍を巡り、激動の百年を懸命に生きてきた児島の人々と、それぞれの時代を繋いだ夢、希望、祈り、情熱、自由、反骨、縁、絆、そして色褪せない歳月を丁寧に織り上げ描く。一本のデニムが歳月を経て生み出す唯一無二の風合いと味わい、それは、震災や戦争のみならず、人知れぬ人生の艱難辛苦によって生み出される人間個々の深みや奥行から伝わる人間的魅力にも似ている。

2023/08/05

ゆみねこ

1923年、関東大震災。アメリカから届けられた救援物資の中にあった青いズボン。厚手の綿の生地で日本の藍染めとはどこか違う。このズボンに魅せられ国産化を夢見た男、その熱い思いを受継ぎ実現させた人々。戦争や時代に翻弄されながら、生き抜いた人たちの物語。これも大河ドラマになっても良い素晴らしい1冊。お薦め!

2023/07/16

fwhd8325

私は東京の下町出身で、近隣にEDWINの工場があったので、早い時期からジーンズに親しんでいました。今でも労働者の制服と位置づけているからか、職場のドレスコードで制限されているのは残念です。大正12年の関東大震災から始まる壮大なドラマです。増山さん得意の歴史物語です。後半、もっとじっくりと読みたい気持ちになります。

2023/07/13

はれひめ

恭蔵と車夫政次のパートから始まる国産初ジーンズ作り。この二人がとても良き。足袋→学生服→ジーンズ。児島の主要産業の変遷は二人の出会いから始まったのだ。エピローグはまさに私の希望どおり。これを読みたくて百年史を完読。私は岡山始発の瀬戸大橋線車中から臨む児島辺りの風景が大好きだ。これまではコバルトブルーに浮かぶ小島の島々と表していたが、これからは恭蔵ファミリーの藍を思い出すことになるだろう。良い物語を読ませていただいた。感謝です。倉敷にはジーンズミュージアムが実在するらしい。岡山県民の方々には特に推奨本です。

2024/02/18

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