KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

ジュリーの世界 (ポプラ文庫 ま 11-1)

ジュリーの世界 (ポプラ文庫 ま 11-1)

ジュリーの世界 (ポプラ文庫 ま 11-1)

作家
増山実
出版社
ポプラ社
発売日
2023-09-05
ISBN
9784591178935
amazonで購入する

「ジュリーの世界 (ポプラ文庫 ま 11-1)」の関連記事

実在した伝説のホームレス「河原町のジュリー」とは一体何者なのか? 増山実の傑作長編『ジュリーの世界』が待望の文庫化!

『ジュリーの世界』(増山実/ポプラ社)

 小説家・増山実の傑作長編『ジュリーの世界』。実在した伝説のホームレスをモデルに人間の尊厳を問う感動作が、2023年9月5日(火)に文庫版として蘇った。

 同作の生みの親・増山実は、放送作家と小説家の2つの顔を持つ。「ビーバップ!ハイヒール」をはじめとする関西の人気バラエティを数多く手がけた後、「松本清張賞」最終候補作を改題した『勇者たちへの伝言』で2013年に作家デビュー。2022年には『ジュリーの世界』を出版し、第10回「京都本大賞」を受賞している。

 物語の舞台は、70年代の終わり。三条京極交番に勤務する新任巡査の木戸は、あるひったくり事件をきっかけに「河原町のジュリー」と呼ばれる有名なホームレスの存在を耳にする。その男は無数の視線に晒されながらも、いつも目抜き通りの真ん中を悠然と歩く。そしてマンホールの上でも橋の下でもなく、商店街の一等地で眠りにつくという。

 もちろんそんなところで寝起きしている浮浪者は、後にも先にもジュリーだけ。嘘か真か、彼が商店街を徘徊しているおかげで、新京極界隈では放火事件が一件も起…

2023/9/15

全文を読む

関連記事をもっと見る

ジュリーの世界 (ポプラ文庫 ま 11-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

里愛乍

ジュリーの月命日でもある昨日5日に誓願寺さんで増山実先生のトークイベントがあり、実際した彼の思い出と共にあの頃の新京極から河原町に思いを馳せる参加者が集まった。当人ではなく、彼を見る側の視点で本書を書いたのは彼に対する想いは其々に持っているから、増山氏はそのひとりとしての目線での彼を書いたという。「SNSの無い時代だからこそ河原町のジュリーは語り継がれている」と語る参加者の男性。そう、おそらくはたぶん永遠に。其々の記憶の中に。この本も彼を目撃していたひとりの記録にすぎないが、その存在に心から感謝したい。

2024/03/06

しげき

「河原町のジュリー」と呼ばれたホームレスの男が主人公の話。当時京都に住んでた人の間では結構有名らしく、興味深く読みました。著者の作品を読むといつも切ない気持ちになります。この作品も例外ではありませんでした。

2024/02/26

❧nao❧

その昔、「河原町のジュリー」と呼ばれるホームレスがいました。これは本当。私も何度か見かけたことがありますが、確かにその超越した雰囲気は「凄い過去があるのではないか?」と思わせるのに十分でした。フィクションとノンフィクションがうまく絡まっています。当時の京都を知る者には懐かしさ満載。

2023/10/26

刺繍好きの糸ちゃん

ジュリーはいたんだよ、ほんと、河原町に。中学生、高校生、街に遊びに出だした頃に、彼はいた。私らの記憶にははっきり残ってるけど、ググっても写真は1枚もないみたいやね。デジカメもスマホもなかったしね。私らの世代が居なくなったら彼の記憶も無くなるしね。活字にしてくれておおきに、増山さん。

2024/02/21

こけこ

なんだろう?と手に取り、読み始めたらどんどん引き込まれた。一度会ってみたかったな。私には想像でしかないのだが、読み手の心の中でジュリーは生きていく。

2023/12/06

感想・レビューをもっと見る