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タスキ彼方

タスキ彼方

タスキ彼方

作家
額賀澪
出版社
小学館
発売日
2023-12-08
ISBN
9784093867085
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タスキ彼方 / 感想・レビュー

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starbro

額賀 澪、5作目です。本来であれば、箱根駅伝第100回記念大会開催迄に読みたかったのですが、図書館の予約のタイミングで、この時期になってしまいました。本書は、戦時下と令和の熱い「駅伝魂」を描く至高の青春スポーツ譚でした。愚かな人類は、何時になったら戦争禁止条約を締結できるのでしょうか❓ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002403.000013640.html

2024/02/10

hiace9000

額賀タスキシリーズ集大成の本作、第100回大会を観終え、深い感動と共に今読了。1920年に始まり2回5年だけ途絶えた箱根駅伝。先人達が開催にかけた思い、「死ぬために靖国に向けて」箱根を駆けた戦時下の学生達、「それぞれの夢に向けて」箱根を駆けた今年の学生達。彼らが時代を越え、これまで繋いだ自校と箱根の『タスキ』の本質と真の重みに深く感じ入る。『箱根駅伝ガイド』と『あまこま』も手元で開きつつ、本作がいかに丹念に史実を辿り、迫真の走路描写を成したかに瞠目結舌。"箱根から世界へ"の響きは、感涙の読後確実に変わる。

2024/01/03

ちょろこ

戦争と駅伝の一冊。泣かずにいられようか。走ってから死にたい、ただそれだけの想いに。昭和と令和を結びながら、ゴールが靖国神社だった幻の箱根駅伝を描いた物語は戦争という時代に抗えない苦しみ、消えない心の灯火が終始、涙となり溢れた。忍び寄る戦禍、1区を走ったその足での有無をいわせずの入営に胸が詰まり、改めて戦争が奪った時間の重みを感じずにはいられない。終盤は時を超えたタスキを思い、勢いが増す涙。当たり前を享受できることがどれだけ幸せなことか。先を生きた人達から今を生きる者に託されたタスキを考えずにはいられない。

2024/02/20

モルク

箱根駅伝、戦時中と今年第百回記念大会の話が交差する。パリ五輪を目指す学生と監督がボストンマラソンの際に託された古い日記。それは戦時中に箱根駅伝を開催しようと奔走した学生のものだった。戦況が逼迫し大学生も卒業を早めたり、ついには学徒出陣という形で召集されていった。「箱根駅伝を走ってから死にたい」という想いに関東学連の世良らが応えようと尽力する。戦死を意味する「靖国で会おう」という言葉も重い。駅伝への、襷への熱き思い、それが令和に繋がる。感動と涙、その感動をうまく言葉に表せないのがもどかしい。いつかは沿道で…

2024/02/15

ナミのママ

〈この箱根駅伝が終わったら、戦争だから〉最後の思い出として走った若者たちがいた。戦時下で箱根駅伝が中止となった時、走ること、駅伝を開催すること、あらゆる形で奔走した若者たち。彼らはこれが終わった後に戦地に出向いた。駅伝にはタスキがあり、それをつなぐことで人がつながってゆく。第100回を迎えた箱根駅伝。100回の意味は重く、哀しみと喜びが折り重なっている。子供の頃、お正月は箱根小涌園で迎えていたので、館内放送とともに渡された旗を持ち沿道に出た。自分の記憶と重なり深く心を打つ作品。

2024/01/12

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