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有罪、とAIは告げた

有罪、とAIは告げた

有罪、とAIは告げた

作家
中山七里
出版社
小学館
発売日
2024-02-14
ISBN
9784093867122
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「有罪、とAIは告げた」のおすすめレビュー

どんでん返しの帝王・中山七里の「AI裁判官」小説。人工知能が下した「死刑」は果たして正しいことなのか?

『有罪、とAIは告げた』(中山七里/小学館)

 これからの時代、人工知能の発達によって、どれほど多くの仕事が失われることになるのだろう。人工知能は、私たちが予想していた以上に、多くの分野で活用できそうだ。そのことに便利さを感じつつも、同時に、何か大切なものが失われるような、恐ろしさを感じる人は少なくないのではないだろうか。

 そんな、人工知能が発達した半歩先の未来を描き出す小説が『有罪、とAIは告げた』(中山七里/小学館)だ。この小説で描かれるのは、人工知能の法曹界への活用。もし、「AI裁判官」が実務を行うようになったとしたら——そんな未来を想像した時、あなたはどんな思いを抱くだろう。実は、「AI裁判官」自体は、決して夢物語ではない。電子政府で知られる、北ヨーロッパのエストニアでは、すでにAIの裁判への応用が始まっている。中国のネット裁判所や、英米で話題となっているチャットボット弁護士など、法律分野での人工知能の活躍は、世界で広がっているのだ。

 この物語の主人公、東京地方裁判所の新人裁判官・高遠寺円は、そんなニュースを知った時、羨望を感じるとともに、…

2024/4/2

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有罪、とAIは告げた / 感想・レビュー

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いつでも母さん

いつか・・いつかAIが判決を下す日が、社会がやってくるのかもしれない。けれど、AIは心情とか酌む事が出来るようになるのかなぁ。そうなったらなんだか怖い(人が人を裁くって言うのも怖い事ではあるのだけれど・・)中山さん、ラストに崎山に言わせた箴言と諫言。寺脇に言わせた「他国の思想信条云々」これが言いたかったのかな。円と葛城の関係はこの先もほのぼの上手く行くといいなぁ←そこ!(笑)

2024/03/07

シナモン

日中の技術交換の名のもと司法の場に中国製AIが導入される。交換されるのは日本のアニメ技術…。国のクールジャパン政策のつけがこんな形でもたらされるとは。でもなくはないかもと思うとなんとも怖い。裁判所ももっと慎重になるかと思ったらいろんな思惑も絡んでサクサクと導入が進んでいって大丈夫なのかと怖さ倍増。久志がまさかの判決を受けなくて良かった。

2024/04/03

美紀ちゃん

AI裁判官が中国から提供されまずは試験運用。AI裁判官もAIイラストも同じ弱点を抱えている。過去のデータを入れてるので新しい概念を生成できない。分析や再構築ができても、創造ができない。AIの、感情や心の問題という課題。葛城さんがグッジョブ。まさかの展開に驚いた。Tシャツの交換に気づかなかったら死刑だった。萬田美知佳さんの最後の一言がとても気持ちいい!中華思想恐ろしい。人が人を裁くのには手間と時間をかけるべきだと思う。人は新しい概念を生み出せるけれどAIはまだそのレベルに到達していない。AIの進化に期待。

2024/03/09

タイ子

東京地裁の高遠寺円の元に中国製のAI裁判官が来た。中国ご自慢の<法神>。テスト運用の驚くべき結果。入力後、数分後に出て来る判決文に判事たちは尊敬の念さえ感じ始める。ただ、円にとってこの機器はあくまでも精密機械であり全てを信用する感はない。そんな時、一つの事件が起こり裁判が始まる。18歳の少年が父親の暴力に耐えかねて刃物で殺すというもの。真相は何となく推理できるものの、裁判長とAIの下す判決に驚くしかない。人間が人間を裁く裁判において感情のないAIがどこまで有能なのかこれからの時代においても不信感は募る。

2024/04/23

itica

人が人を裁くのは難しい。人が感情を持つ生き物である以上、誰もが同じ結論になることはない。それならAIの方が理想的なのだろうか。しかしAIには「言葉にできず不確かながらも感覚で違和感を覚える」などと言う機能はない。将来、AIはどこまで人類に食い込むのだろう。私だったらAIに裁かれるのは嫌だな。ところで円の祖母「静」の活躍する小説は『静おばあちゃんにおまかせ』『静おばあちゃんと要介護探偵』『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』などがあるので未読の方はいかがでしょう。

2024/04/04

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