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光であることば

光であることば

光であることば

作家
若松英輔
出版社
小学館
発売日
2023-06-28
ISBN
9784093891240
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光であることば / 感想・レビュー

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trazom

若松さんは「ことば」を大切にする人だ。井筒俊彦さんが「コトバ」と言ったように、著者独自の「ことば」への感性が迫ってくる。世の中に勇ましい言葉が溢れる中で、若松さんのことばが心に染みる。「必要なのは励ましではなく、なぐさめである」「何かを「する」ことではなく「待つ」ことだ」「心を揺り動かす経験も必要だろうが、凝縮された沈黙もなくてはならない」「自由とは解放ではなく、「自らに由る(よる)」ことだ」。若者を、(「人間」でなく)「人材」と見做すことに失望して大学教員を辞めたと言う若松さん。その思いが胸に刺さる。

2023/08/05

アオイトリ

こころの琴線に触れるフレーズに何度も立ち止まり、思い耽りながら読了。人はよろこびがなくては生きていけない。でも自分にとっての真のよろこびは容易く見失ってしまうもの。快楽とは違う。むしろ悲しみの底でも、それを感じることがある。過剰に間違った方向に進むことから苦しみが始まる。自分自身になる。祈ること、学ぶこと、食すること、歌うこと、愛すること、こそがよろこびとなる、と。「悲しさは共に悲しむ者がある時、ぬくもりを覚える」と言った柳宗悦など、読んでみたい本もたくさん見つけました。大切に再読したい。

2023/12/26

あきあかね

 愛する者を喪った悲しみが、時に変奏しつつ、著者のどの作品にも貫いている。そうした人生の暗がりを照らしたのが、ことばであった。一度深い闇に触れた者は、一層生の輝きを、生きることの本質をつかむことができるのかもしれない。 例えば、大学に勤めていた著者が、「人材」という言葉に違和を感じた話から、勉強と学びの違いへと思索が深まってゆく。 「つまり、真実の学びとは、世にいう成功や栄達のためでなく、生の機微を見極め、人生の困難にあって己れを見失わずに生きるためである。さらにいえば、たとえ、矛盾が渦巻き、⇒

2023/08/15

ひめぴょん

若松さんにとっては触れるものだったことば。そんなことばで24のことについて記述されています。ひらがなにするか漢字にするならどんな字を選ぶかにも気をつけて書かれている。美しい文章。ことばに対して、いろいろな物事に対して向き合う姿勢に好感を持てる文章でした。以下は自分が惹かれたことばメモ。 よろこびについて:からだが水を必要とするように、心はよろこびを希求する。よろこびは快楽のないところにも生まれる。自分は、世にただ一つの存在である。このことを真に認識したとき、まったく異なる世界が開けてくる。希望について:

2023/07/27

joyjoy

「知る」と「識る」。…「「あたま」で知ることに対して、経験を通じて体得することを「識る」という」。 知情意。…「「知」の扉が開け放たれるのは、「情」や「意」の扉の後でもよいのではないのか」。 これらの言葉をとおして、、、「本を読もう」と意気込んで、「知」に、間接的認識に、傾きすぎていなかったかな、と、自分を振り返る。 何か「について」ではなく何か「を」確かに知ったという経験を、答えよりも手応えを、自分は求めているのかもしれないな。

2024/02/06

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