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血の轍 (15) (ビッグコミックス)

血の轍 (15) (ビッグコミックス)

血の轍 (15) (ビッグコミックス)

作家
押見修造
出版社
小学館
発売日
2023-01-30
ISBN
9784098615704
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「血の轍 (15) (ビッグコミックス)」のおすすめレビュー

『血の轍15』母は語り、息子は見つめる――読者の誰もが知りたかった「毒親」の過去がいま明かされる!

『血の轍15』(押見修造/小学館)

※本記事にはマンガのネタバレが含まれます。

 13歳の少年・静一と母親・静子のいびつな関係を描いていた『血の轍』(押見修造/小学館)。母に人生を狂わされ人を殺してしまった静一は、その母からも見捨てられて救護院に送致される。

 しかしこの1巻から12巻までの静一の少年時代を描いた物語は序章にすぎなかった。

 13巻から始まる本章も視点は変わらず静一だが、彼はすでに36歳となり工場で働いていた。誰とも打ち解けることなく、時折、隣に自分が殺したいとこの「シゲちゃん」がぼんやりと現れる。死んだときと同じ少年のままの姿のシゲちゃんと大人になった静一が並んだ姿はアンバランスで、静一の心が長い月日を経ても閉ざされたままだということがわかる。

 そんな静一の父親が急死したことで彼と母親の静子の歪んだ母子関係を描いた物語が再び動き始める。

 静一が約20年ぶりに会った静子は、精神を病み記憶も散り散りになっていたのだが、静一の視界の中では若く美しいままだった。しかし若い静子を見ながらページをめくっていると、急に静子の姿が白髪の老いた女性に切…

2023/3/3

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血の轍 (15) (ビッグコミックス) / 感想・レビュー

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Carlyuke

静一から見た母親と現実の母 静子の独白 静子の背景 静一を殺そうとした? 今回作品の結末が気になり16巻と17巻を先に読んでから途中の部分を読んだ。心理劇としての古典になるのではないかなと感じる。またユング派のノイマンが書いたグレートマザーを理解するのに役立つと感じた。 この母親は親から精神的な虐待を受けて育ち, 自分の子供にも健全ではない環境下で精神的に虐待した。著者は最後の方の巻であとがきを書いている。作者の心理がこの作品に反映されている。しかし本人は社会人として成功し家庭も持っているとのこと。

2023/12/18

神太郎

親の愛情。その大切さをただただ感じる。静子の半生を知るにつれてまた違う側面が見えてくる。 静一も子供目線からしか親を見てこなかったから静子の半生を知りどう思うのか。拒絶することは簡単だが、ゆるす事は難しい。ゆるすためにはその人を知らねばならない。その為の過程を正に静一は歩んでいる。大人編からは小説を読んでるような感覚に陥る。表現一つ一つがゾワゾワっとくる。

2023/03/10

かに

静子の独白。半生を語る。1人の女性の人生の物語。とても胸にくるところもあるが、これまでを読んできた身からすると、だからなんだといいたくなる。だからって、あんな酷いことをしていいわけがない。そして、どこまでが真実かわからない。今の静子の内なる目線からみる人生なだけで、静一からみるもの、他からみるものは全く違っているのかもしれない。し、嘘を言っているのかもしれない。記憶は美化されるものだし。ホラー感はなにもない巻。逆に、次巻がこわい。「遠い」か…。

2024/02/03

地下鉄パミュ

かなり深淵に切り込んだ。これは眠りの淵は深いな。決して浅くない。血の轍の表現で言えば遠いって事か。病巣深し遠し、全部吐き出して貰って楽になって欲しい。

2023/03/01

ライアン

ここに来てママとの対話。だいぶ頭が錯乱状態になっているのかと思いきや冷静に過去の自分の話ができるのか。ようやくママの過去が明らかになっていく。このあと二人はどうなるのか?、そしてどういうラストを迎えるのだろうか?

2023/02/18

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