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地中の星:東京初の地下鉄走る (新潮文庫 か 99-1)

地中の星:東京初の地下鉄走る (新潮文庫 か 99-1)

地中の星:東京初の地下鉄走る (新潮文庫 か 99-1)

作家
門井慶喜
出版社
新潮社
発売日
2023-11-29
ISBN
9784101047416
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地中の星:東京初の地下鉄走る (新潮文庫 か 99-1) / 感想・レビュー

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KAZOO

ある意味「プロジェクトX」の主題歌(内容も)を思わせる題名で、地下鉄銀座線の最初のとっかかり(上野、浅草間)を中心に話が進んでいきます。早川徳次という人物は知りませんでした。大隈重信や渋沢栄一に掛け合って資金を出させたりします。怖いもの知らずでこのような人が当時はいたのですね。中盤は工事監督が主人公のような感じでかなり苦労した様子がわかりました。また東急の創始者の五島慶太もでてきます。面白いプロジェクト・セミドキュメンタリ―小説です。

2024/02/16

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

(2024-11)後に「地下鉄の父」と呼ばれた早川徳次。「この世で最初の、死後も残る仕事がしたい」と始めた地下鉄の建設。鉄道院を飛び出し人脈も資金も無い彼がこの巨大な事業を起こすのは本当に大変な事であったろう。そして実際の建設に携わった道賀竹五郎や木本胴八らの現場監督、数多くの名もない作業員達。彼らの活躍無しには工事は完遂しなかった。長い年月をかけてたった10キロ程度の路線かもしれないが、パイオニアというものは大変な苦労がある。地下鉄銀座線建設を描いたプロジェクトX、面白かったです。★★★★

2024/01/23

てつ

門井さんを、若干舐めていた気がする。いかようにもアレンジできる地下鉄建設の話を無駄なところは削ぎ落とし、不要とも思えるところも盛り込んで、最終的に五島慶太との関係性に落とし込んだのがお見事。脇役も美しい。

2023/12/10

piro

日本初の地下鉄を開通させた早川徳次、そして地下鉄開通に挑んだ現場の人々の物語。徳次の地下鉄にかける情熱、そして歴史に名が残らない現場の人々のプロ意識に心熱くなる一冊でした。一時は険悪となった東急グループの始祖・五島慶太とのエピソードも興味深い。「地上の星」をもじった「地中の星」。トンネルを遠ざかる地下鉄の赤いテールランプであり、そして徳次をはじめとした人々でもあり、とてもいいタイトルだと思います。東京の地下鉄の中でも何となく特別に感じる銀座線。地下鉄の父・早川徳次の思いを乗せて走り続けていることが嬉しい。

2024/03/24

みこ

早川徳次による地下鉄開通秘話。相変わらず主人公たちの熱量を描くのが上手いのだが、少々話を広げすぎたかなという印象。と言うのも早川自身が2章で早々に表舞台から姿を消して、開通工事に励む職人たち中心の話に移行する。次に早川が登場するときは会社トップの堂々たる姿だった。資金集めや会社経営に奔走する姿と職人たちの苦闘を同時進行で描いて欲しかったかなという印象。ただ、それでも無名の職人たちを称え「地中の星はいま、そのほとんどが肉眼で見えない」という締めの文章はあまりに秀逸で涙を誘う。

2024/01/19

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