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秘祭 (新潮文庫 い 11-8)

秘祭 (新潮文庫 い 11-8)

秘祭 (新潮文庫 い 11-8)

作家
石原慎太郎
出版社
新潮社
発売日
1988-07-01
ISBN
9784101119083
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秘祭 (新潮文庫 い 11-8) / 感想・レビュー

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ひなきち

八重山の、17人しか住まない島に、観光地誘致の目的で住み込むことになった敏夫。島の掟、特に「秘祭」の謎に近づいていくに従い、よりおどろおどろしいホラーサスペンスになっていく。…剥き出しの生々しい描写がとても怖い。島民が外部者に向ける目に、読んでいるこちらまで鳥肌が立ってくるほどだった。読後、検索したら本当に実在する「秘祭」だと知り、またもや言葉を失う。ただ実体はわからないまま…(小説は着想を得ただけだという)。興味本位で近づいていいこと、いけないこと…。見極めなくてはいけないと思った。

2020/03/22

ワッピー

読み友さんの感想から。初慎太郎。八重山の孤島のリゾート化を計画する会社に勤める高峯は、前任者の死により、その仕事を引き継ぐために島に渡る。17名の島民たちとの生活に近づこうとするも、見えない壁は高く、島の女性タカ子と親しくなり、村の漁労を担うようになっても理解は進まない。そして年一度の祭の日を迎え、相次ぐ帰島者により島の空気が変わっていく…巨大企業の資本と、もはや消えつつある島の土俗的伝統とのせめぎあいはどうなるのか?当時の沖縄へのイメージがわかります。民俗学の好きなワッピーには非常に興味深い作品でした。

2020/03/29

ROOM 237

絶海の南西諸島、島の禍々しい土着信仰を何も知らずに赴任した男VS島民17人(女性1人)がひた隠しにする事実に迫るさすぺんす。いかんせん前任者が行方不明って前置きに期待は高まります。安定のジメついた雰囲気と年に一度の門外不出の秘祭に、一見して長閑な島では考えられないようなアクシデントが頻発するストーリー展開は飽きさせない構成でイッキ読み。ラストはこういう土着信仰ホラー好きな人にはドンピシャな落としどころでしょう。タイトル改題しないとネタバレだから改題したのね…と納得。調べたらダメよ。

2021/12/12

Taito Alkara

隔離された地や空間を利用した話は多いが、この作品を読むとそれもうなずける。必然的に状況が把握しやすくなり、人の心理変化に集中ができ、筆力さえあれば圧倒的に面白い作品に仕上げることができるのだ。石原作品初読了だが、こんな作品ならまた是非挑戦したい。

2016/11/07

Shin

現実世界とは隔絶された離島が異界として神秘的かつ魅惑的に描かれていて、期待以上の作品だった。 この作品は、タブーに対し隠されていればいるほど我々にとってはむしろ知りたくなってしまう人間の心理を巧みに突いていて、秘祭やタカ子の存在はそれをさらに引き立てているように感じられなかなか興味深かった。 主人公の正義感には自分と重ねられる部分があり感情移入してしまったため、結末の表現にはさらに恐怖を増して感じた。

2020/04/29

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