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夕陽の河岸 (新潮文庫)

夕陽の河岸 (新潮文庫)

夕陽の河岸 (新潮文庫)

作家
安岡章太郎
出版社
新潮社
発売日
0000-00-00
ISBN
9784101130088
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夕陽の河岸 (新潮文庫) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

安岡章太郎氏の晩年の作品集。短編と随筆を収録。長く活動した作家の晩年の作品は、窮屈な文学の枠組みを超えた味わいを感じることがあるが、安岡氏のこの本にもそれを感じた。時間や構成にこだわらずに、自由な感性で自分の生き様や人生の途上で出会った人たちのことを書きとめている。川端康成文学賞を取った「伯父の墓地」が傑作。頑固に土葬にこだわった伯父の最期を書きながら、日本人の持っている死に対する細やかな感受性を、味わい深い筆致で描いている。

2014/11/05

マリリン

短編10作品(著者は短編と随筆に分けていいのか迷うと記されていた)すべて懐古的な情景が脳裏に浮かぶ。『犬』『夕陽の河岸』『叔父の墓地』は特に印象深い。『朝の散歩』に書かれた芥川・川端両氏の「末期の眼」は興味深く読んだ。いずれ確実に訪れるその時に見えるのか、何が見えるのかを想う。日本文学のよさを改めて感じた良い作品だった。

2017/10/16

hirayama46

はじめての安岡章太郎。おお、たいへん好み。なんでいままで読んでいなかったのだろう……。第三の新人に分類される作家は波長が合う気がします。/本書は私小説的な短編集。いずれも大げさでないさりげなさでもって語られるお話で、あとがきで言うところの「うま味」のある作品群でした。「伯父の墓地」における自転車の描写などの細部が本当に良い……。表題作の旧友の追憶も、記憶の遠さと鮮やかさの同居する絶妙さでした。

2019/03/10

ダイキ

解説・秋山駿。小説なのか随筆なのか、作者自身にすら判然としない、させる必要を認めていない、その二つのあわいのような作風のうちに、土俗的なおそろしさとでもいうような、ささやかな戦慄がふっと身内を通り抜けてゆくものが、心を配っていなければ読み流してしまうほどの、あまりにも素っ気のない筆致で記されている。早朝の渓流沿い、「おはようございます」と、散歩中の著者に一々声をかけながらすれ違ってゆく人々の声に、「自然を損なわれたように脅え」る著者は、一見病的なようで、秋山氏が解説にいう、「根」の深さの故に相違ない。

2019/05/31

さっと

『流離譚』の下巻を探して、ブックオフをはしごしているときに見つけた一冊。短編小説6つ、随筆4つ。随筆のひとつ「土佐案内記」は、これまた読みたいと思っていた大岡昇平の『堺港攘夷始末』について書かれていたので、ついつい買ってしまった。「結局、私にとって文学とは、小説であれ随筆であれ、いかなる奇想天外の構想よりも、文章のうま味に在るものと思われる」とは著者の言葉だが、収められた文章を読んでみると、それがよくわかる。

2013/04/14

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