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内灘夫人 (新潮文庫 い 15-1)

内灘夫人 (新潮文庫 い 15-1)

内灘夫人 (新潮文庫 い 15-1)

作家
五木寛之
出版社
新潮社
発売日
1972-03-01
ISBN
9784101147017
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ジャンル

内灘夫人 (新潮文庫 い 15-1) / 感想・レビュー

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松本直哉

反抗の声をあげても祝祭的・散発的で、次の世代に教訓も継承されず、再び同じ轍を踏んでしまう。1952年の内灘闘争と68年の全共闘、わずか十数年の隔たりなのにお互いに無関心で、昔の闘士は何事もなかったように良き市民になっている。かつて同志の子を宿して苦い経験をした霧子だけは、若い世代の情熱に共感を抱くのだが、自分と同じ運命をたどる杏子に助けの手を差し伸べても断られる場面が象徴的。男性が主導権を握る運動で、観念ばかりが先走り、妊娠などする方が悪いというような乱暴な論理で、女性を疎外する過ちがまた繰り返される。

2023/10/22

ピンガペンギン

図書館で五木寛之小説全集の1冊を借りて読む。1952年の石川県内灘村での米軍試射場接収に反対する運動で出会った夫婦。今では夫は事業で成功していて女主人公は有閑マダムに。変な家政婦が住み込んでいる。過去が良かったといって今の自分自身を肯定できない美人妻。全集の解説は当時の時代背景を知られて良かった。

2022/07/06

nakanaka

青春時代に固執する主人公。 個人的にはあまり共感できない。過去に縋ることなく前を見て歩かなきゃならないと思う。

Quijimna

「過去に美しすぎる青春を持ったものは不幸です。その余りの鮮やかな充実感のために、現在が常に色あせて見えるからです」★★★☆☆

2002/08/03

ほけっち@マルポテ

内灘での思い出(内灘紛争)から、どうしても離れられない霧子・・しかし、年月とともに変るということが悪いことなのか。過去の共通の経験、体験をもとに結ばれた二人だけど、その方向性が変ると、一緒に居れないのを思います。人間の価値観の残酷さを思います。 「人間が変ることを責めているんじゃないのよ。そうじゃなくて、変ることを居直りみたいに正当化して、過去を平然と否定してしまうようなあなたがいやなの」 過去に生きる女、と突き放す克己。「青春が美しく、現在が退嬰」と、感傷に責める苦しむ姿が印象的です。

2018/04/23

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