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甘いお菓子は食べません (新潮文庫)

甘いお菓子は食べません (新潮文庫)

甘いお菓子は食べません (新潮文庫)

作家
田中兆子
出版社
新潮社
発売日
2016-09-28
ISBN
9784101206219
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甘いお菓子は食べません (新潮文庫) / 感想・レビュー

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ミカママ

ああぁ、好きすぎて感想が難しい。(文字通り)甘ったるいタイトルとは裏腹に、そこに書かれているのは中年女の現実だ。思い通りに運ばぬ仕事、夫にさえ拒否されるセックス、どんどん弛んでままならないおのれの身体。わたしの中に主人公たちが少しずつ棲み、どの主人公にもわたしが通って来た道を見た。言うならばどん詰まりの人生だけれど、そんな中でも女たちは小さな光りを見い出し、前を向いて進んで行く。これがデビュー作とは。

2020/10/22

ヴェネツィア

6つの短篇を収録。田中兆子は初読だが、似ている作家を思いつかない。篇中で最もリキが入り、彼女の文学における個性を発揮し得ているのは「残欠」だろう。ただ、この作品に限らず、彼女の小説はきわめて自己完結的であり、したがって共感の余地がないかのようである。主人公の一人称語りであるが、彼女はアルコール依存症であり、息子からも拒絶されている。夫とはもっと長い間にわたって仮面夫婦同然である。知らず知らずのうちに自己が解体してゆく様相を語ったとも見える。そうした自己を肉体において捉え、徹底的に観察しようとしたのが⇒

2019/04/20

ケンイチミズバ

「お母さんがいなくなって、あたしもお父さんもちょっとしっかりしたかも」もしそうなったら自分もそうかも。家庭を得られなかった代わりに職場での地位があるとしたらなんだか気の毒な感じもする。子供を育てなかったかわりに部下を育てているという思いはあきらめも含めてすがすがしく感じたのだけれど、両親の思いに胸がちりちりしているのもわかった。文章が秀逸で表現力があり、職場での女性の部長というポジションから見たいろいろがとてもリアルだった。母の死で、か細くなった父との蕎麦屋での会話が映画のシーンのようでとても心に沁みた。

2017/12/25

ゆいまある

40代女性なら思わず苦笑いして膝を打つ、未婚、子無し、失業、親の死、病気(アルコール依存)、夫の性欲減退というより消失(これ新しいテーマだよね)など、30代なら対応できても40代になると諦めたくても受け入れられない内容の連続短編集。40代女性じゃないと分からないニッチなことをよく書いてくださった。特にアルコール依存の一日一日耐えてる様がうまい。うますぎる。デビュー作に思えない。経験者かよ。最後のべしみだけ、姫野カオル子の受難がやたら思い出されてもう一ひねり欲しかった。解説がケラリーノ・サンドロヴィッチ!

2020/03/17

みどり虫

読友さんの感想で気になり初読みの作家さん。R18文学賞作品というのも初読み。まず、とても読みやすい。主人公は皆、もう若くはない女達。なんとなくわかるような話も、目を背けたいような話もあった。タイトルは、なんだろう。若くはない女であることは「甘いお菓子を食べてストレス解消!明日からまたがんばろー」なんて簡単なもんじゃないよね、なんて思ったり。私は甘いお菓子で元気になったふりをまだしてるけどね。

2017/06/20

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