計算する生命 (新潮文庫 も 42-2)
計算する生命 (新潮文庫 も 42-2) / 感想・レビュー
にいたけ
すごい本を読んだ。目鱗の連続。とはいえ書いてある内容をどれだけ理解出来たのかわからない。人間による数の捉え方を過去から現代の人工知能まで数学史を語る。「人は計算結果を生み出すだけの機械ではない。かといって与えられた意味に安住するだけの生き物でもない。計算し、計算の帰結に柔軟に応答しながら現実を新たに編み直し続けてきた計算する生命である」自分の知見だけで物事を判断し「できない、無理」とすぐ判断する奴は、ただの機械。だからどうするがなければ計算は過去が未来を食べるだけの活動になってしまう。自戒を込めて。
2024/02/15
特盛
評価4.2/5。単なる計算の話でなく、人の認識や思考システムの壮大な歴史を辿れ興奮した。題材は、古代の数認識・数字・ギリシャ数学・デカルト・リーマン・カント・フレーゲ・ウィトゲンシュタイン・人工知能と現代、と流れる。操作と意味は鼬ごっこをし合う歴史だったのだ。自分個人の実感として抱えていた問題、何故大学から急に数学がとっつきにくくなったのか、環境問題に何故スタンスを取りにくい思いをしていたのか?といった問もすっきりした。計算の存在を感知しにく、意味を読み取りにくい現代こそ、人間らしさがより問われよう。
2024/01/07
読書熊
数学の歴史が、こんなにも豊かな物語を含んでいるとは
2024/03/28
やす
数学の歴史と生命とは何かについて。 前の本より数学ちっくだった。
2024/02/16
ヨン
数学への記憶がかなり薄くなっている故か、『数学する身体』よりも難しい内容に思えた。だが、人間の「数」への認識から人工知能生成までの歴史は大変興味深く、今の生活やこれからの生き方について考えさせられるものがあった。「数学」、「計算」という範囲に収まらない読み応えのある作品だった。
2024/04/27
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