人間が滅ぼした動物×百貨店での勤務経験から着想。映画 『北極百貨店のコンシェルジュさん』<西村ツチカさんインタビュー>
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年12月号からの転載です。
従業員は人間、お客様は動物。そんな不思議な百貨店を舞台にした『北極百貨店のコンシェルジュさん』が劇場版アニメに。 繊細なタッチで描かれた原作マンガをどのように料理したのか、アニメならではの見どころを紹介。原作者・西村ツチカさんのインタビューを通して、マンガの制作秘話、アニメの魅力に迫っていく。 (c)2023西村ツチカ/小学館/「北極百貨店のコンシェルジュさん」製作委員会 (c)Tsuchika Nishimura/Shogakukan
取材・文=野本由起
絶滅種をはじめとする動物が客として訪れ、人間が接客をする百貨店──。この一風変わった作品が劇場版アニメになると決まったのは、マンガの連載が終わった頃のこと。原作者がアニメにどこまで関わるかはケースバイケースだが、西村さんの場合は基本的にノータッチだったという。 「自分はアニメをたくさん観てきていないので、良し悪しがわかりません。そのため、『何でも自由にしてください』とお伝えしました。完成した映画は、冒頭で子ども時代の秋乃が…