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愛に乱暴(下) (新潮文庫)

愛に乱暴(下) (新潮文庫)

愛に乱暴(下) (新潮文庫)

作家
吉田修一
出版社
新潮社
発売日
2017-12-25
ISBN
9784101287577
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愛に乱暴(下) (新潮文庫) / 感想・レビュー

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yoshida

突然に迫られる離婚により壊れていく桃子。お互いの家族を巻き込んでの修羅場。私も離婚しているので、この重苦しい空気や、様々な修羅場、追い詰められた人間の取る異常な行動を思い出した。やはり一度築いた形を無くすには相当のパワーがかかるもの。読んでいて気付いたのは、真守が過去にも同じ事があったこと。罪深いし彼は繰り返すのかも知れない。離婚の原因はそれぞれ。お互いにしか分からない。ラストの場面で桃子が正気を取り戻し救いをみる。自分の経験を思い出しやりきれない気持ちになった。結婚は慎重に。ラストに救いがあり良かった。

2018/09/11

hit4papa

後半は、早々に、そうか桃子って!が判明します。なるほど、この構成に仕掛けがあったのか、とつらつらと読み進めていた読者は、読み返さなければならないでしょう(自分だけか)。義母も徐々に真守の味方をするようになり、桃子の非をあげつらいます。あげく、義母は、桃子に怯えを抱くようになるのでした。義母とのバトル勃発で、行き場を無くした桃子。本作品は、桃子と義母の関係性の変化も見所です。桃子の過去が分かるあたりから、これまでとは違って見えてくるのです。ラストは、チェーンソーを持って「乱暴」・・・とはなりませんでした。

2019/12/05

じいじ

かなり乱暴な夫婦の話ですが、吉田修一ならではの巧さが際立った面白い小説でした。下巻では、嫁と姑の微妙な関係、とりわけ姑の白白しい二枚舌に苛立ちます。そして、もうひとり優柔不断な男(亭主)は、断じて好きになれませんが、妻の詰問調に畳みかける性格はめんどくさいです。私の結論―この家庭崩壊の元凶は姑にあります。そして、その原因は、マザコン亭主が嫁と姑の衝突・対立時に100%、姑の立場でしか考えられないところにあると思います。余韻を残す読後感、嫁の未来に「幸あれ」と祈りたい。

2018/08/04

Yunemo

全く読み違いしてました。一人語りの日記に翻弄されて誤解釈のままに。それから、表紙の桃子と思われる人物画、この表情がそのまま上と下との違い。気持ちが表われるこの表情通りの展開になってます。著者の想いの中に、本作に過去は繰り返すという概念も意識的に入れられてるのかな。どうもそれぞれの人物が過去からの甦り的にも解釈できるし。また壊れる寸前の人間の意識がどんなものか、ここまで行かなくとも、自身も含めて生きてる人たちすべてが、一つの経験値として持ってるものかもしれません。何てことを漠然と頭の中に残したまま読了です。

2018/03/18

りゅう☆

夫の浮気相手が妊娠してから夫は帰ってこない。桃子と別れて新しい家族を築きたいと言う。もう本当に本当にイヤな気分。なんで別れなきゃいけないの?義母と夫の話を床下で聞く。床下?浮気相手の日記だと思ってたら…。確かに浮気相手だけど。夫から聞き出した桃子への不満。ほんっとにふざけんなって感じ。テメーの下半身の緩さがそのまま自身の甘さじゃないの?ムカつく!不幸になれ!桃子は壊れたの?私はそう思わない。妻として桃子を自分と重ねてしまう。だからこそ今後の人生、幸せを掴んでほしい。大丈夫、見てくれてる人は分かってるから。

2020/11/04

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