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つやのよる (新潮文庫 い 79-6)

つやのよる (新潮文庫 い 79-6)

つやのよる (新潮文庫 い 79-6)

作家
井上荒野
出版社
新潮社
発売日
2012-11-28
ISBN
9784101302560
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つやのよる (新潮文庫 い 79-6) / 感想・レビュー

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ベイマックス

『艶』という女性にかかわった男女7人の告白物語。人の妖しさ、脆さを荒野風に見事に表現されている。

2022/10/17

七色一味

読破。まず。表面からは窺い知れない感情や思考、その怖さを感じた。にも関わらず、ドロドロとしたものを表現しているはずの文体は、からりと乾いていて──氷点下の砂漠のよう。ひとりの──かつての魔性の女の死が、微妙なバランスで成り立っている人々の中に、ほんの小さなヒビを走らせる──。本当に恐ろしいのは、そのヒビを抱えた人々の今後か…。

2013/04/07

まさきち

死を目前にした男たらしの艶、そんな彼女に翻弄された男に更に翻弄された女性たちの話を集めた短編集。それぞれの話は女の情念や悲哀を含み楽しめたけれど期待していた艶本人の人物像はいまいちつかめずやや消化不良。

2016/09/08

りゅう☆

艶の夫・松生が艶と関係を持った男たちに彼女の危篤を知らせることによって平穏な生活にちょっと変化をもたらす物語。その男たち視線ではなく、彼らの妻だったり恋人だったり艶を看取った看護師らの視点で語られてるのは構成上面白かったかも?でも共感できることもあまりなく、最終的に人物像は繋がったけど「何が?なんで?どうなった?」ってスッキリしない部分もあり、自分の認識力のなさもあってか、ちょっと不完全燃焼気味。艶の存在も私の中に大きく響かず…。また松生の艶に対する卓越した思いに、空虚さを感じずにはいられなかった。

2014/11/19

眠る山猫屋

感想、難しいなぁ。艶という女性を巡る男たち、そしてその男のパートナーが語る男たち。艶は稀代の悪女というより奔放に自由に生きた(その人生は男たちに狂わされたと言えるかもしれない)。彼女が危篤となり、最後のパートナーである松生春ニがO島から艶と関係があった男たちに手紙を出す。そしてささやかな波紋。女性たちは艶をよく知らないし、男たちも多くは語らない。松生にしても愛憎相半ばと云ったところか。女たちもパートナーに対して惰性や諦らめの様な感情を抱いているが、その底にある気持ちは・・・。一筋縄ではいかない。

2024/02/25

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