KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

キャリー (新潮文庫)

キャリー (新潮文庫)

キャリー (新潮文庫)

作家
スティーヴン・キング
Stephen King
永井 淳
出版社
新潮社
発売日
1985-01-29
ISBN
9784102193044
amazonで購入する

「キャリー (新潮文庫)」のおすすめレビュー

スティーブン・キング『キャリー』の原作ってどんなの?全世界3億5000万部超え「ホラーの帝王」の処女長編、実は一度ゴミ箱に捨てられた!?

『キャリー』(スティーブン・キング:著、永井淳:訳/新潮社)

 頭の固い親によるスパルタ的指導を常に受けながら、自分の意思をうまく表現したり自由に行動したりできずに抑圧された幼少期を過ごした人も多いかもしれない。特に、「〇〇するな」という禁止令を多く受けすぎると、その後の人生にネガティブな影響を受けるという話もあるようだ。

 本記事で紹介する『キャリー』(スティーブン・キング:著、永井淳:訳/新潮社)の主人公・キャリーという少女もまた、厳格なキリスト教徒だった母親の厳しすぎる禁止令の数々に行動を制限された哀れな被害者だった…。

 本作は、狂信的な母親のもとで育てられ、また学校で日常的に虐めを受けていた少女キャリーが、初潮を機にテレキネシスの能力に目覚め、少しずつ狂気的に変容していきやがて街を破壊する青春オカルトホラーであり、1976年に映画化もされている。今では全作品で累計3億5000万部以上を誇り、「ホラーの帝王」とも呼ばれるスティーブン・キングであるが、実は『キャリー』は彼の初の長編小説だ。本作は、書いた後にゴミ箱に一回捨てたという話も残っている…

2024/3/6

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

キャリー (新潮文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

Tetchy

モダンホラーの巨匠スティーヴン・キングのデビュー作にして幾度も映画化された有名作。単純至極なシンデレラ・ストーリーに念動能力を持つ女子高生の復讐というカタルシスとカタストロフィを混在させた物語を、事件を後追いするかのような文献や手記、関係者のインタビューなどの記録を交えて語る手法が当時は斬新で広く受けたのではないだろうか。とにもかくにも主人公キャリーの生き様の哀しさに尽きる。今では実にありふれた物語であろう。が、しかし物語にちりばめられたギミックや小道具はやはりキングのオリジナリティが見いだせる。

2016/10/30

ケンイチミズバ

生まれたら親がカルトだった件、元首相を撃った青年の生い立ちにも思いを馳せた。思春期のモヤモヤした体の変化は罪悪。生理は穢れ。彼女は始まった時に取り乱しクラスメイトからおもちゃにされた。家では罵られ殴打された。シャワー室での騒ぎの中、廊下の照明が破裂したが誰も気付かない。母親に折檻された時は石を降らせた。ラストの辱めはエスカレートしそんなものでは済まない惨状へ。母親が厳格な宗教観念で幼い子供を縛り自由を与えない。与えるのは罰だけ。イエスは壁から見守っている。けれどその顔は石のように冷たい。誰も救えなかった。

2022/09/12

遥かなる想い

スティーブン・キングの処女作。 巻末の 解説を 読むと、一人のベストセラー作家が 誕生する ごくささいな エピソードが 書かれていて 興味深い。 私自身は、スティーブン・キングの 熱心な読者ではない、ので 他の作品と 比べることが できないが、 ・ 青春小説と ホラー小説を 上手に融合させ、読者に 飽きを もたらさない ところなどは、一種の 才能かもしれない。

2004/01/01

Koichiro Minematsu

2021年の読書締めくくりは本書になりました。スティーヴン・キングのデビュー作。恐怖小説でもあり青春小説の要素も。著者の日常に抱える不安の塊が小説の中で恐怖として現れるので、スティーヴン・キングは恐怖に陥れる天才。これからも棚にはスティーヴン・キング作品は増えていきそうです。

2021/12/30

林 一歩

数え切れないほどの再読。後の重量級の作品群と比べると和食のようなあっさり感はございますが、処女作(厳密な意味での処女作ではないにせよ)としては十分な及第点。映画版も一級の「青春映画」でした。

2013/04/15

感想・レビューをもっと見る