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オウエンのために祈りを 上巻 (新潮文庫 ア 12-10)

オウエンのために祈りを 上巻 (新潮文庫 ア 12-10)

オウエンのために祈りを 上巻 (新潮文庫 ア 12-10)

作家
ジョン・アーヴィング
John Irving
中野圭二
出版社
新潮社
発売日
2006-09-01
ISBN
9784102273104
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オウエンのために祈りを 上巻 (新潮文庫 ア 12-10) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

J・アーヴィングは初読。1989年の刊行なので、ほぼ最先端のアメリカ文学。上巻を終わった段階では、難解さに困惑といったところ。訳文から推察するに、原文で用いられている言葉も平易だと思われる。文体表現も特に変わったところはなさそうだ。まず、時間の構成が特異である。上巻では基本的には「ぼく」(ジョン)とオウエンの1952年から1958年(ぼくたちは10歳から16歳)が語られるのだが、そもそもそれは1987年時のトロントでの回想であり、しばしば時は87年に戻る。しかも、少年時のエピソードも単線的な時間において⇒

2021/01/21

ケイ

5歳児くらいの身長しかないオウエン。みんなにバスケットボールみたいに抱っこリレーされても怒らない(可愛がっているのだから)。ネズミみたいな声だって、神様の考えだと思っている。頭もよく、親友もいて、普通に子供として過ごしている。彼がとことん違うのは、彼の不幸や彼がもらたらす不幸が、神が彼の手を借りてしていると信じていること。ジョンの義父ダンは偏見なく物を見る人で、彼はオウエンの考え方をその家庭環境のせいだと思う。ダンだってジョンだってオウエンを愛しているから彼を恨まない。でも私なら彼を許せないと思う。

2016/07/16

扉のこちら側

2016年229冊め。【156-1/G1000】11歳でも5歳児程度の体格しかない小人症で、そういう風に生まれついたのは神様から使命を与えられているからだと心の底から信じているオウエンと、出生の秘密を抱えるジョンの友情譚。日本でいう『不思議系』キャラのオウエンは、わき目もふらずに生き急いでいる印象。並外れた知性を感じるが、下巻ではどうなっていくか。

2016/03/31

Ryuko

5歳児の身長、奇妙な声を持つオウエン。彼の打ったボールが主人公の母を死なせることになる。物語はぼくの子供時代(1950年代)と大人になってから(1987年)を織り交ぜてすすむ。大学に入ったふたり、これからどうっていくのか。下巻へ。アーヴィングの作品は、これまで「ひとりの体で」しか読んだことがないが、同じような構成、同じような主人公の境遇だ。アーヴィングの定番なのかな??

2018/01/10

ぐうぐう

「神さまはきみのお母さんを奪った。ぼくの手が道具となった。神さまはぼくの手を使った。ぼくは神さまの道具なんだ」。5歳児の大きさしかなく、変な声を持つオウエンの特徴的すぎるキャラクター設定からしてつかみはオッケイ。しかし、アーヴィングはそんなオウエンだけに頼るのではなく、枝葉のエピソードをこれでもかと繰り出す。オウエンにとっては、すべての出来事に意味がある、その実践としての枝葉のエピソードなのだが、こうも言い換えることができる。どこにでも物語は存在する。そう、アーヴィングの小説がいつもそうであるように。

2016/03/27

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